この記事をまとめると
■かつてのターボ車は急に加速する「ドッカンターボ」が目立った
■極端な加速をするので刺激的な走りが楽しめた
■燃費も考慮したダウンサイジングターボが増えてきた
ドッカンターボってなんだ?
今では軽自動車から実用車、高級車、スポーツカーにも多く採用されている、エンジンのダウンサイジングとパフォーマンスを両立する切り札となるのがターボエンジンだ。たとえばフォルクスワーゲンは1.2リッター、1.5リッターの直4エンジンにターボチャージャーを付加することで、実用エンジンとしてトルキーで扱いやすいエンジン性能としつつ、ターボらしい強烈な加速を感じさせない、自然なエンジンフィールを実現している。
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しかし振り返れば、ターボチャージャーが登場した頃は、いわゆる「どっかんターボ」と呼ばれた、ある回転数からいきなりターボパワーが炸裂するハイパフォーマンスカーが存在した。当時の技術では、レスポンスより高出力化が狙いというか、大パワーをとりあえず与えるというのが技術の限界であった。なので、ターボチャージャーの源である排気ガスが少ない低回転域では、ターボチャージャーの十分な過給が行われず、トルクが足らない。しかし、エンジンが高回転に達すると排気ガスが増加し、ブースト圧がいきなり高まり、「どっかーん」と表現できる爆発的なパワーが生み出されるというわけだ。
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つまり、「どっかーん」前と後では、パワーフィールが大きく異なり、突然、タイムラグを伴って、急加速に見舞われることになる。それを刺激的と感じるか、走りにくい、コントロールしにくいと感じるかは人それぞれだったが、いずれにしても燃費面でのデメリットもあったことは確かだ。
●BMW 2002ターボ
そんな「どっかーん」ターボは、1970~1990年代のターボモデルに多かった。まずはBMW2002ターボである。そもそもBMWは航空機のエンジン製造メーカーであり、その技術を流用してクルマに搭載したわけだが、クルマのターボエンジンが開発されて間もなくのことであり、2リッター直4SOHCエンジンにターボチャージャーを組み合わせ、170馬力を発揮。
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最高速度200km/hを謳っていたものの、アクセルを踏み込みタイムラグのあと、「どっかーん」な急加速を発揮していたのである。燃料噴射装置はその後の電子制御式ではなく機械式で、インタークーラーも登場していなかったため、燃費の悪さが際立ち、一部のマニア層を除いて、販売面で振るわなかったのである。
●ポルシェ 930ターボ3.0
しかし、刺激的な加速力への欲望は、当時のスポーツカーにとって不可欠なものであり、ポルシェは1975年に930型の派生車となる930ターボ3.0を登場させ、ポルシェのフラッグシップとして、また「サーキットの狼」の劇中車として登場したこともあって、ターボモデルの人気は一気に爆発。
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3リッター空冷フラット6ターボエンジンは、初期モデルで260馬力、後期モデルで300馬力を発生。ブースト圧が高まり、十分な過給が行われると、まさに「どっかーん」な、ワープ感覚といっていい強烈な加速力が得られたものだった。
●日産 セドリック 4ドアハードトップ ターボプロアム
では、国産車で「どっかーん」なターボ車はいつ登場したのか。そのパイオニアは1979年に登場した5代目430系日産セドリックだった。
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発売は6月だが、10月に日本初のターボエンジン、2リッター直6のL20ET(145馬力・21.0kgm)を、ECCS(エンジン集中電子制御システム)ともに搭載。
●日産 スカイライン 2000RSターボ
その後も日産はターボモデルに積極的で、1983年にスカイライン2000RSターボをリリース。2リッター直4DOHCのFJ20型ターボエンジン(190馬力・23.0kgm)を搭載。西部警察の劇中車としても使われ、一躍、国産ターボモデルのイメージアップに貢献したのであった。
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