「なんでやねん!」気がつきゃ大阪マスターに!! XRを利用した没入型観光バスの取り組み

この記事をまとめると

■XRによる没入型観光バスが誕生している

■関西万博では連動企画として大阪市内を周遊し関西弁を体験型で案内

■観光だけでなく教育や研修分野への活用も期待される

最新技術を使った新たな観光手法が誕生

 近年、映像技術が目まぐるしく進化したことにより、没入感が高いエンターテイメントを楽しめるようになってきた。とくに注目されているのが、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、仮想現実(VR)である。これらの技術を複合的に利用して、現実にはないものを知覚できるようにした技術のことをXR(Extended Realityまたはcross reality)と呼んでいる。これを応用したバスが、関西万博の期間に大阪の街を走っていたのだ。

 このバスは、日本の「縁日」とOSAKAカルチャーをミックスした、街全体で毎日行われるお祭り型エンターテインメント、「OSAKA Satellite EXPO 2025」のコンテンツとして、2025年7月1日~10月29日まで運行された。いわば、関西万博場外イベントのひとつと位置付けられていたのだ。主にインバウンドを対象にしたツアーで、JR大阪駅・大阪梅田駅周辺から出発し、中之島エリアや大阪城エリアを巡り、JR大阪駅・大阪梅田駅周辺に戻るという所要時間約40分の周遊コースであった。

 車内では、XR技術を駆使した映像と音響が展開される。映像は天井・正面のディスプレイや、サイド(窓)の透明ディスプレイ・調光パネルを使い、乗客の上部及び前後左右で映し出されるようになっているのだ。サイドのディスプレイは演出中こそ映像を優先するようになっているが、外の景色を楽しむこともできる。

 映像はストーリーに沿って進み、中之島や大阪城などを巡りながら、「おおきに」「なんでやねん」「ええやん」「ぼちぼちでんな」「知らんけど」の5つの言葉の使い方について、ツアー客に参加・体験させながら解説を行うという内容だ。ツアーをナビゲートをするバスガイドは2名。ひとりはバスに乗車する人間で、もうひとりは首都圏から遠隔で操作する対話型AIキャラクターである。

 乗客のまわりに設置されているディスプレイはすべて連動しており、どちらを向いても躍動感のある映像を楽しむことができる。サイドの透明・調光ディスプレイは、GNSS(全球測位衛星システム)や加速度センサーなどで車両位置を割り出すことで、外の景色と融合させることが可能。また、乗客のスマホと連動させることもできるのだ。さらに、座席の振動・エアー・ミストなどを使った演出も考えられており、テーマパークのアトラクションにも引けを取らないエンターテイメント性をもっている。

 大阪での運行はすでに終了しているが、福井県では新たに「WOW RIDEいこっさ! 福井号」を走らせた。JR福井駅から恐竜博物館までを、約60分で結んでいる。展開される映像は、プロの監督(堤幸彦)・俳優(今井翼、温水洋一など)によるストーリー性がある内容だ。このように、XRバスは新たな観光コンテンツとして確立しつつある。いずれ、ビジネスにおけるプレゼンテーションや研修、学生の授業などにも利用されることが考えられ、今後の展開に期待がかけられている。


この記事の画像ギャラリー

新着情報