【試乗】しっとりなAWDと軽快な2WDの選択が悩ましい! スズキ初のBEV「eビターラ」はEVを身近にしてくれる存在だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■スズキのBEV戦略第一号車となるeビターラはフルタイム4WDと2WDを選ぶことができる

■eビターラはデザインでも走りでも「BEV感」をあまり主張していない

■eビターラは日常の生活のなかでいかに扱いやすく安心して乗れるかに振ったモデルだ

いよいよスズキ初のBEV「eビターラ」に初試乗

 スズキが展開を始めるBEV戦略車の第一号となる「eビターラ」のワールドプレミアをイタリア・ミラノで行ったのが2024年11月。そして約1年の月日を経て、いよいよ国内販売が始まる。

 eビターラは、BセグメントBEVのなかでは希少なフルタイム4WDと2WDを選択できることが大きなアドバンテージといえるだろう。4WDと2WDの両グレードを試乗する機会を得たので、早速試乗インプレッションをお伝えしたい。

 eビターラの全体的な特徴として、デザインでも走りでも「BEV感」をあまり主張させていない。それはエンジン車から違和感なくEVへと移行してもらうためだ。エクステリアデザインでは、立体的に力強く張り出したショルダーラインが力強さを強調させる。ボディ下部全周やタイヤに面した部分を樹脂パーツで仕上げることで、不整地でも走り抜けるSUVらしさを表現している。個人的にはヨーロッパでも人気が出そうな印象を受けた。

 エクステリアのなかで気になったのが手動テールゲートの開閉方法について。外からテールゲートを開ける際はナンバーのすぐ上にある「…」マークのところにあるスイッチを操作しロックを解除するのだが、地面に近いため非常に汚れやすい位置にあると感じる。また、テールゲートを閉める際は手動となるため、ゲート下部にあるハンドルを操作するのだが、ゲート末端より奥まった位置に配置されているため、閉めようと手を引くとテールゲート末端が腕に当たりやすく非常に閉めにくい。

 インテリアは価格相応に感じる質感の高さがあり、ダッシュパネルやシートにはブラウンをアクセントに取り入れたデザインが特徴だ。床下にバッテリーを搭載する新型EV専用プラットフォームを採用しているが、フロアの厚みがあるぶん、着座位置が高いことに気がつく。

 これはほとんどのEVに見られるものなのだが、eビターラの電動シートを一番低い状態にしても、他ブランドEVと比較して高く感じた。身長176cmの私でも天井が近く若干の圧迫感を感じたので、改良が入るタイミングでもう少し下げ幅を増やしてもらいたいところだ。

 走り全体の印象として、安定性と扱いやすさを優先させた特性が感じられた。EVならではの鋭い加速などの飛び道具的な要素はあえて主張させずに、エンジンモデルと大きく差を作らないことで違和感を生ませない狙いがうかがえる。

 eビターラの4WDシステムはオールグリップeと呼称し、操作や状況に応じて前後のトルク配分を変動させる仕組みをもつ。価格帯の高いEVにみられるデュアルモーターを搭載しているが、効率性を高めるシーンでの1モーター走行などの機能はもち合わせていない。

 定速走行時でのフロント54:リヤ46の前後トルク配分をベースとするフルタイム4WDだ。加速時はフロント50:リヤ50へと変動し、滑りやすい路面などではフロント70:リヤ30といったように、フロントモーターを主体としたトルク配分を可変させる。FFの特性をもつことで強い加速による急な姿勢変化やオーバーステアが起きづらい点からも、FFベースの4WDのならではの走行安定性の高さが特徴だといえる。実際、eビターラは、モーター特有の鋭い加速特性をあえてもたせない味つけと相まって、終始安定した高い安心感をもって走ることができた。


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