安全な波長を使用しておりカメラへのダメージはない
──LiDARによるデジカメやスマホの破損について、原因を教えてください。
昨今報告されている、LiDARによるカメラ損傷の問題は、波長1550nmのLiDARセンサーに関連するものです。1550nmはより高い出力での使用が可能ですが、その一方でカメラのような精密機器に損傷を与える可能性があります。
※nm=ナノメートル、ここではLiDARが発する赤外線の波長を示す
──量産モデルへの搭載実績もあるヴァレオのLiDAR「SCALA」シリーズも同じ問題を抱えているのでしょうか。
ヴァレオの『SCALA』LiDARセンサーは、905nm帯の光源を使用しているため、この問題の対象外です。905nmベースのLiDARは放出される光の出力が大幅に低いため、このような問題は発生しません。
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──センサーとしては1550nmの波長を使うほうが性能を高められる面もあると思いますが、905nmのLiDARにこだわる理由を教えてください。
ヴァレオは14年以上にわたる車載LiDARの研究開発を通じて、安全性と信頼性に関わる厳格な規制および製品コンプライアンスのもと、お客様のパフォーマンス要件に最適に合致する技術を選択してきました。
とくにカメラへの損傷に関する懸念は、弊社の長距離LiDARセンサーに1550nmの光源を採用しないという決定を下す際の中心的な判断材料となりました。現在生産されている弊社のすべてのセンサーは、レーザーの安全性および実地運用における厳格なコンプライアンスに基づき、905nm帯の光源を採用しています。
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ヴァレオの見解によれば、低出力の905nm光源を使うLiDARであればカメラのイメージセンサーを破損することはないということだ。つまり、自動運転テクノロジーの進化に伴ってLiDARを採用するクルマが増えてきても、社会的な問題となる可能性はかなり低い。
また、ヴァレオによれば同社の最新世代LiDAR「SCALA3 Evo」は、ガラスによる赤外線の減衰という課題を乗り越え、フロントウインドウ内側に設置できるよう進化したという。これまでLiDAR搭載車では、ルーフ先端やバンパーなどでセンサーが目立ちがちだったが、これからは存在が気になることのないLiDARが増えることになりそうだ。
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