高速道路ではやっぱりECOモードがオススメ
そういった心理的背景もあるが、いくつか試した走行モードのなかでも高速道路では「ECO」モードがオススメと感じた。もちろん、航続可能距離の問題もあるが、高速道路ではECOモードだから我慢を強いられると感じるシーンが少なく、快適に過ごせて電池消費を抑えられるからオススメなのだ。
トラベルアシストを起動させながら高速走行をしたが、前が詰まると積極的に回生ブレーキを使ってくれる。また、再加速も電池消費を気にしたゆったり目だが、「高速道路での再加速って、普通に自分でスロットルコントロールしていたらこれくらいかな」と思うくらい自然な感じだった。
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そんな高速道路でのECOモードの優位性を実感しながら浜松SAに到着。休憩ポイントに浜松SAを選んだのは150kWの急速充電があるからだ。充電前では残量14%、航続可能距離51kmとなっていた。充電を開始すると最初はMAX125kWまで出力されたが、それも最初の10分間程度、次第に75kW程度までの出力へと落ち着いてしまった。30分充電後は残量69%、航続可能距離256kmとなっていた。
次は残量12%、航続可能距離42kmとなったタイミングで亀山PAにて30分充電(別の取材のために春日井で一旦高速道路を降りて一般道も走行)。充電後は残量70%、航続可能距離252kmとなっていた。コチラも150kW充電器が設置されていたが、結果は同じで瞬間的に125~130kWを出力するが、次第に75kW程度になった。
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BEVユーザーには当たり前かもしれないが「150kWだから30分で70kWhくらい回復するはず!」という見立てはあまりうまくいかないと思ったほうがいいことを改めて知ることとなった。あと、出力の高い急速充電器が道中のSA/PAにあるか、下調べしておくことも重要だ。フレキシブルにいく臨機応変な旅は難しい。
セカンドシートで原稿を書こうとしたが……
3列シートのMPVということで2列目シートも試してみた。編集部に運転をお願いして「原稿を書こうかな」とパソコンを開いたが、正直パソコン作業は酔いそうで厳しかった。セカンドシートのほうがガタピシ感を感じやすく、フロントシートよりもダイレクトに振動が伝わる印象だ。おそらくセカンドシートの乗り心地はLWBのほうが良好だろう。そういった背景を考えても、セカンドシートの快適性は国産ミニバンのキングともいえる存在、アルファードのほうが間違いなく良好と感じた。
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それは装備面もそうだ。テーブルやUSB電源などはあるが、オットマンやエンタテインメントなどの各種快適装備はID.Buzzには装備されていない。ID.Buzzはドイツ本国では商用部門で生産されているモデルであるため、乗用車として開発された日本のミニバンとセカンドシートの快適性で比べるのが間違っているかもしれないが、1000万円級の値段を考えるとやっぱり日本市場ではセカンドシートに贅沢さが欲しいと感じてしまう。
低重心&ロングホイールベースのBEVであるため、高速道路でのコーナリングの安定感は3列シートMPVとは思えないほどのものがあるが、市街地での取りまわしのしやすさとセカンドシートの快適性なども踏まえた総合評価では、どうしても日本のミニバンに分があると感じた。
ただ、アイコニックなデザインを含め、ハマる人にはハマる1台。高速道路での移動中も助手席に乗る多くの人がコチラを見て笑顔になっていた。フォルクスワーゲンとそれを取り巻く人々をゴキゲンにするブランドリーダーとして、ID.Buzzは必ずいてほしいとも思える1台だと、一般公道を長時間にわたって試乗したからこそ改めて思った。
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