黒いゴムを成形しただけじゃない! じつは複雑なクルマ用タイヤの中身

この記事をまとめると

■一見するとタイヤはゴムの塊に見えるがじつは10以上の部位で構成されている

■タイヤのそれぞれの部位には名称と役割がある

■タイヤの外部構造はトレッド・サイドウォール・ビード、内部構造はカーカス・ベルト、インナーライナーなどから成る

タイヤの各部の名称と役割

 乗用車のタイヤは空気が漏れないように一体成型されているので、一見するとひとつのゴムの塊に思えるが、細かく見ると10以上の部位で構成されていて、それぞれ異なる役割が与えられている。
その主な名称と役割について紹介していこう。

・トレッド部

 まずはトレッド部。キャップトレッド部ともいう。路面に直接接する部分で、グリップ力を発揮し、排水のためのトレッドパターンが刻まれている部分。走行距離に比例して摩耗していく部分でもあり、タイヤの「顔」といえる。

・ショルダー部

 名前のとおり、タイヤの肩の当たる部分。タイヤの内側のカーカスを保護するとともに、走行中に発生するタイヤ内部の熱を放散する役割がある。よほどひどいアンダーステアを出したり、アライメントが大きく狂っていない限り、摩耗することはない。

・サイドウォール部

 これもまた名前のとおり、タイヤの側面の部分のこと。タイヤメーカーの名称やブランド名、タイヤサイズなどが刻印されている。タイヤのなかでもっとも屈曲が大きい部分なので非常に重要。カーカスを保護する役目も与えられている。

・ビート部

 高炭素鋼を束ねた構造になっていて、タイヤをホイールのリム部にしっかりと固定する役割を果たしている。カーカスコードの両端を固定するのもビート部の仕事。タイヤをホイールから外すときは、このビートを落とし、新しいタイヤをホイールに組むときは、エアを充填させてビートを上げる。

・ベルト

 ラジアルタイヤのトレッドとカーカスのあいだのコード層。主にスチールコードを使用していて、トレッドの剛性を高めるための補強帯。

・カーカス

 タイヤの骨格を形成するコード層のこと。空気圧を保ち、荷重や衝撃に耐えてタイヤ構造を保持する重要な役割を果たしている。ゴムで被覆されているが、摩耗が進みコード層が見えてくると「カーカスが見えてきた」などといわれるが、それはバースト寸前の危険な状態。

・インナーライナー

 チューブレスタイヤの内面に貼り付けられるゴム層のこと。気密性を保ち、空気の漏れを防ぐ役割があり、空気透過性の少ない特殊なゴムを使っている。

 整理すると、外から見える部分は、接地面=トレッド、側面=サイドウォール、ホイールとの結合部=ビード。内部構造は、骨格=カーカス、補強帯=ベルト、気密層=インナーライナーといった作りになっていると覚えておこう。


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藤田竜太 FUJITA RYUTA

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