事故が多発する「魔の交差点」には何がある? 現地に行ってじっくり検証してみた

この記事をまとめると

■「魔の交差点」と呼ばれる場所は日本全国にある

■神奈川県の恩田陸橋下は四方向すべてで視界が極端に悪い

■左右双方の確認が難しい構造が事故を招いている

事故が減らないのにはワケがある

 全国に魔の交差点と呼ばれる場所は多くあるが、今回訪れたのは、年間12件の人身事故が発生した神奈川県の恩田陸橋下だ。ニュースで取り上げられることも多いが、その場所でなぜ事故が絶えない理由が知りたくて、実際に足を運んでみることにした。訪れたのは交通量も多い、平日の午後だ。

 この場所だが交通量が多い国道246号線から脇道に逸れた場所にある。まず、クルマで走ってみる。一方通行の坂を下ると、信号のない交差点に当たるのだが、一時停止の線までクルマを進めても、右側はトンネルの石垣に遮られて何も見えない。停止線を1mほど越えたところで、ようやく右側の視界が少し見えるほどなので、右側からのクルマを確認するのは非常に難しいといえる。

 そこで、今度は実際に自分の足で各方面から歩いて実際の場所を検証してみた。まずは、坂の上から降りてきたことを想定したアングルだが、これは運転時と同じで、右側からのクルマはほとんど見えない。さらに、右わきに置かれた右折禁止の看板があることで、なおさら右側視界は狭くなる。

 次にトンネルをくぐってくるクルマの視界だ。左の一時停止ラインが見えるのは、ほぼトンネルを出たところなので、事前に左から来ているクルマを確認するのは難しい。

 今度は逆車線と上からの様子だ。4方向すべての方面からの視認性が悪いことがわかる。

 このように、交差点の視界が悪いことで事故が多発するのは明らかだ。そこで、視界確保の対策として横幅のあるカーブミラーが設置されているのも、この交差点の特徴のひとつ。しかし、実際に走ってみると、トンネル内が暗いこともあり、ミラーをかなり凝視しないとクルマの接近が確認できなかった。

 大きな国道から下り坂の脇道を通って交差点までやってくる。そこに信号機はなく、さらにトンネルで視界が遮られている。これでは事故が頻発しても仕方がないのと思えるのだが、じつは2024年12月以前は、時間帯問わず右左折ができたことも、事故発生の大きな理由だった。

 この交差点を左折するならともかく、右折する場合、左側からのクルマに注意しながら、ほとんど見えない右側からやってくるクルマの切れ目をタイミングよく通過することになる。こうなると左からのクルマに気を取られた結果、右側からのクルマの確認がおろそかになって事故につながるというのが多いパターンだと推測できる。

 そこで、交差点を管轄する青葉警察署は、2024年12月下旬から恩田陸橋付近の交差点に標識を設置し、交通規制を開始した。この規制は午前7時から午後7時までで、国道246号線から降りてきた車両は田奈駅方面(左折)のみ進行可能となったのだ。

 日中が右折禁止となったことで、じつはちょっとした問題も見ることができた。訪れたのが平日の昼間、もちろん右折禁止の時間帯だ。それにもかかわらず、標識や看板を無視して右折していくクルマがあとを絶たない。実際に現地で観察していた時間は30分足らずだが、この間にも右折していったクルマはなんと6台。

 右折禁止の標識も、新たに設けられた時間帯で右折できないことが記載された看板も目に入らないわけがないのだが、抜け道なのか、何台ものクルマが右折していった。これはバレなければ大丈夫ということなのだろうか? しかし、交通規則は守るためにある。大きな事故になる前に、法は順守してもらいたいものである。


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