この記事をまとめると
■トヨタbZ4Xは2025年の販売台数のうち93%が改良後のモデル
■しかもそれをたった3カ月で達成
■販売店のセールスマンによる積極営業とトヨタの顧客基盤がbZ4Xの販売を後押しした
bZ4Xが突然売れ出したのはマイチェンのおかげだけじゃない
自販連(日本自動車販売協会連合会)統計によると、2025暦年締め(2025年1~12月)でのトヨタbZ4Xの年間販売台数は3697台(前年比365.3%)となった。bZ4Xは、2025年10月に改良モデルが発売となっている。自販連統計をみると、2025年10月から12月の3カ月間で、年間販売台数の約93%となる3450台を販売している。
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bZ4Xは改良でまさに覚醒したといっていい販売実績を残している。改良による性能アップや魅力的な価格設定などで商品力が向上しただけではなく、販売現場も並々ならぬ積極的な販売促進活動を行い、まさにこの賜物が2025年の年間新車販売台数に現れたといっていいだろう。
また、日本では「興味のあるひとがくるのを待つ」といった待ちの販売もbZ4XのようなBEV(バッテリー電気自動車)では目立つが、販売現場で積極的に売り歩けば、それに見合った販売実績を稼ぎ出すことができることも、トヨタが実証したようにも見える。
ただ、長い間「販売のトヨタ」といわれるほど、国内はおろか海外でもただならぬ販売力をもつトヨタにしかできないものともいえるかもしれない。長年同じトヨタ系正規ディーラー(あるいは同じセールスマン)で新車を乗り継いでいる管理顧客が、担当セールスマンとの厚い信頼関係のなかで、「BEVはいかがですか?」と勧められれば、意外にスンナリそれを受け入れるケースも多いようである。
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あくまで私見ではあるものの、トヨタ車ユーザーは平均年齢が高めなこともあり、所得に余裕のあるひとも多い傾向がある。もち家であり、リフォームや建て替えのときに「とりあえず」としてBEVをもっていなくてもBEV充電器を設置するケースも増えているので、「せっかくあるのですから」とbZ4Xを勧めやすい環境が、トヨタには整っていたとの話もある。
また、HEV(ハイブリッド車)を長い間販売してきたこともあり、ユーザーのなかには電動車自体に興味をもつ人も多く、HEVからBEVへという選択肢の移行も進めやすかったのかもしれない。日産は、初代リーフ以降、長い間BEVを正規ディーラーで取り扱ってきたので、日産系ディーラーのセールスマンはBEV販売についての知見も豊富で頼りがいのある印象を受けるが、現状ではリーフのモデルチェンジに8年もかかってしまったこともあり、先代リーフユーザーのなかには中国BYDオート(比亜迪汽車)のBEVへの乗り換えも目立っているようである。
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日本はそもそも政府ゴリ推しでBEV普及を進めてきたわけでもないし、今後も政治が前のめりで関わってくるということもあまり考えられない。そのなかで、BEVをラインアップする各ブランドの販売姿勢が販売実績を大きく変えていくものと考えている。
東南アジアのなかでもBEVの普及著しいタイでは補助金や値引きが大きいため、「ICE(内燃機関)新車は買えないけど、BEVならば……」としてBEVを選ぶひとも目立っていると聞く。ただし、自動車保険(任意保険)料の上昇(加入自体引受先が少ない)や再販価値の下落スピードの速さなど、結果的に「BEVはこりごり」ということにもなってきているとも聞く。
日本のBEV市場はその点ではまだまだ健全である。興味のある、または興味をもったひとに乱売せずに販売している。bZ4Xが証明したように、日本でもBEVの潜在的な売り先というものは開拓次第で十分広がりを見せることがわかった。
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日進月歩の激しいいまのBEVでは現金一括払いでの長期保有よりはリースや残価設定ローンでの短期間で乗り継いでいくのが理想的とされている。いろいろICE車より考えることが多いからこそ頼れるセールスマンという存在が大切なのであると考えている。