この記事をまとめると
■2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤーのデザイン賞はフォルクスワーゲンID.Buzz
■ID.Buzzにはランプの形状など違う表現もあったように感じる
■個人的にもっともデザインに優れていると感じたのはヒョンデ・インスターだった
個人的デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーはこれだ!
2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤーにおけるデザイン・カー・オブ・ザ・イヤーは、2位のプジョー3008に142点の大差を付けて、フルクスワーゲンのID.Buzzが獲得しました。
まあ、10ベストカーか否かはともかく、このクルマがデザイン賞を穫るのは想定内だし、じつにわかりやすい結果です。何せ、いまなお圧倒的な人気を誇るワーゲンバス(タイプ2)のヘリテージというだけで、フツーのクルマ好きはもちろん、同賞選考委員ともなれば手放しで投票するのは簡単に想像できてしまうワケです。
フォルクスワーゲンID.Buzzのフロントスタイリング画像はこちら
たしかに、2トーンカラーのユニークなボディはよくまとまっていますが、オリジナルの独創的な存在感を考えると、個人的には果たしてこれがベストの回答だったのか? という疑問があります。もちろん、同車はあくまで最新のIDシリーズなので、顔付きを始めシュッとした佇まいが前提なのでしょうけど、たとえばランプ形状も含めてもっと違う方向もあったんじゃないかと……。
2位のプジョー3008は、SUV風ファストバックがまさに流行のスタイルですが、どうしてもかぎ爪型ランプやグラデーショングリルなどの細部が目立ってしまい、全体が煩雑に感じられてしまうのが惜しいなあと。このあたりは最近の欧州車全体の傾向でもありますが。
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個人的ベストはまさかの4位!
3位であるプレリュードになると、いきなり82点と桁が違ってしまうのですが、今回個人的イヤー・カーとしたいのは、さらに少ない76点となった4位のヒョンデ・インスターです。「何であんな地味なコンパクトカーを?」という多くの声が聞こえてきそうですが、まさにベーシックカーだからこそ注目した結果です。
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そもそも全長3830mm、全幅1610mmという小柄ぶりは最近では非常に貴重だし、そのなかで高い合理性を目指したパッケージもコンパクト本来の姿。こんなクルマはどこにでもありそうに思えて、じつはなかなかない存在です。
上下2段構造のフロントランプは、日産の初代ジューク以降ちょっとした流行ですが、それをこの小さなボディのなかに納めることでファニーな佇まいとしたのはユニーク。また、太いBピラーやリヤピラーはSUVとしての演出とともに、ボディに強い凝縮感を与えました。リヤピラーをブラックアウトして伸びやかさを……なんて安易な発想をしなかったのは○です。
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特徴的な前後フェンダーの張り出しもまたSUV的表現ですが、パッと見、取って付けたように見えつつも高い安定感に寄与している造形。このあたりはなかなか意図的かも、ですね。こうしたSUV的ボディに、例のピクセル調ランプを前後に置くことで、ある種の先進感を与えたところも巧いなあと。
インテリアは非常に質素ですが、上下二段構造の無駄のないインパネなどに決して安物感はありません。このカジュアルなイメージは、たとえばマツダの初代デミオあたりを想起させるもので、どこか懐かしさも感じさせます。
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総得点368点のID.Buzzに対し、わずか76点の4位をベストにするなど非常識だ! という声は甘んじて受けたいと思いますが、「クルマ好きだったら当然コレだよね」という予定調和的な回答も少々退屈です。というか、「デザイン」の概念を少なからず狭くとらえてしまっている点が気になるのです。