なんと「ルーチェ」がフェラーリから発売されるってマツダはどうする? 名乗りたいのに名乗れない「日本における車名かぶり」問題はしょっちゅう起こっていた (2/2ページ)

本名を取り戻したレアケースもある

 アメリカ車にも本来の名前を名乗れなかったモデルがある。それが7代目「シボレー・コルベット」だ。もともとコルベットは第2・3世代で「スティングレイ」のペットネームを用いていたのだが、それが2014年に登場した7代目で復活。本国では「シボレー・コルベット・スティングレイ」を名乗った。

 しかし日本では「スティングレー」がスズキ・ワゴンRのカスタムモデルの名称として使われており、商標もスズキが保有。7代目コルベットがデビューする数年前まで業務提携をしていた(GMはスズキの株式の20%を所持していた)かつての盟友に正式な車名を名乗ることを阻まれる形となってしまったのはなんだか皮肉だ。

 最後はちょっと珍しいところで別名から正式名を取り戻したモデルも紹介しておこう。それが「ミニ・カントリーマン」だ。2010年3月にミニ初のSUVとしてワールドプレミアされたミニ・カントリーマンであるが、2011年1月に日本導入が発表されたとき、その車名は「ミニ・クロスオーバー」だった。

 ミニとしては、クラシックミニ時代のワゴンモデルとして人気の高かった「カントリーマン」のイメージを新型車に投影してグローバルに販売したかったはずだが、あろうことかミニ人気が世界でもっとも高い国のひとつである日本で、「カントリーマン」の商標をもっていたのは第三者だったのだ。「カントリーマン」の商標を巡ってはBMWとその第三者でかなりの調整が行われたようで、晴れて2023年に日本における「カントリーマン」の商標はBMWに譲渡されることになった。これによって同年にデビューした3代目は正式に「ミニ・カントリーマン」を名乗っている。めでたしめでたし。

 このように、自国内でしか販売しないドメスティックなモデルが主流であった時代ならまだしも、現在のようにグローバルでの販売が当たり前となった現代のクルマは、新型車の命名ひとつとっても非常に大変なのだ。最近、かつての名車の名称が復活する例が多い背景には、じつは各国での商標権が深くかかわっていることも珍しくない。

 新型車の登場の際には、その車名の意味や命名の経緯などに注目してみるのも面白いかもしれない。


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