この記事をまとめると
■いまだ年間100件を超える飲酒死亡事故が発生している
■物流業界では運転前にアルコールチェックをするなどといったルールが設けられている
■アルコール・インターロックシステムなるシステムの導入も進んでいる
飲酒運転撲滅の切り札はアルコール・インターロック
いうまでもないが、飲酒運転は絶対にやっていけない行為である。にもかかわらず、年間100件を超える飲酒死亡事故が発生しているのだという。これでも、四半世紀前に比べれば1割程度に下がっているのだそうだ。警察も罰則を厳しくしたり取り締まりを強化したりして飲酒運転撲滅に注力をしているが、不心得なドライバーがあとを絶たず、悲惨な事故がなくならない。
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トラック・バス・タクシーといった事業用車や会社の営業車のドライバーは、日常的に仕事で車両を運転するのだから、絶対に飲酒運転をしないような仕組みが、組織として必要になってくる。そこで、運転前の点呼の際にアルコールチェックをするなどといったルールを設けることが法制化されたわけだ。ただ、アルコールチェックをすべての拠点で運行管理者の立ち合いの上で行うとなると、コストや効率の面から事業者の負担が大きくなる。
そこで、スマホやインターネットなどの通信システムを利用して、遠隔でも確認が可能になるなどといったやり方が導入されるようになったのである。ただ、この方法では身代わりやチェックをしたふりをするといった不正を防止することができない場合があるという。やはり、チェックを受けてアルコールの反応が出た場合には、物理的に車両の運転をできないようしなければ、思うような効果が望めないということなのだろう。
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こういった要望を受けて開発されたのが、アルコール・インターロックシステムである。これは、運転前のアルコールチェックをクリアしなければ、エンジンがかからなくなるという装置。要するに、酒を飲んでいると車両を動かすことができなくなるのである。既存の車両にあと付けすることができ、検査は運転席で実施する。そして、検査データが直ちに運行管理者に送られるので、複数のドライバーを一元的に管理することができるのだ。
また、新たな技術としてドライバーの飲酒状態を推定するシステムも登場した。これは、カメラなどのセンサーを使用してドライバーの不調・居眠り・わき見などを感知する、「ドライバーモニタリングシステム」を応用したもの。ドライバーの顔つきや顔色、非接触センサーで取得した脈拍数や車両の制御状況などから,AIがドライバーの飲酒状態を判断するのだ。これにより飲酒している可能性が生じたときには、警告や運転制御などを行って注意をし、飲酒運転を防止するのである。
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日々、運転業務に勤しむプロのドライバーに対して、飲酒運転を疑うようなシステムを導入するのは、事業者としても心苦しい部分もあるだろう。しかし、飲酒運転による事故は撲滅されておらず、多数の死傷者が出る事故も発生している。ある程度休憩をとれば、アルコール分が抜けるなどと自分勝手な解釈をするドライバーも一定数存在する。こういった現実がある限り、アルコール・インターロックのようなシステムが導入されるのは、やむを得ないのではないだろうか。
※一部画像にAI加工を使用しています