この記事をまとめると
■ブガッティはかつて4ドアサルーンの市販を模索していた
■市販化目前とされていたEB112だが倒産によって立ち消えとなった
■EB112は試作車と残されたパーツから製作された2台の計3台が存在する
ブガッティは4ドアモデルの販売を計画していた
ブガッティといえば、ハイパーカーのヒエラルキーの頂点に君臨するブランドと認識している人が多いだろう。近年であれば、シロンやヴェイロンなどにより圧倒的地位を確立しているが、過去には4ドアモデルでラグジュアリーカーの頂点を目指したことがあるのをご存じだろうか。
それがブガッティEB112だ。
1990年代、EB110で復活を果たしたブガッティは、その次の手としてサルーンというまったく新たなジャンルへの進出を模索していた。1993年のジュネーブショーで発表されたEB112は、単なる高級セダンではない。スーパーカーの性能とラグジュアリーを融合させた、当時としては極めて先進的なコンセプトカーだったのである。
ブガッティEB112のフロントスタイリング画像はこちら
そのデザインを手がけたのはイタルデザインのジョルジェット・ジウジアーロだ。ブガッティらしいクラシカルなモチーフと未来的なフォルムを融合させた独特のスタイリングは各方面で賛否両論を呼びつつも、一部では「世界でもっとも美しいサルーン」と評されるなど、強烈な存在感を放っていた。
4人乗りとなったインテリアは控えめで洗練された印象で、乗員の身体を包み込む用にサイドサポートが備わった形状の前後レザーシートには「EB」のロゴがあしらわれる。インストルメントクラスター周辺、センターダッシュボード、ドアパネルなどには金属パネルがアクセントとして用いられるなどクラシックだ。ところどころに、初期開発段階からジウジアーロが携わったヴェイロンのキャビンを予見させる仕上がりとなっている。
ブガッティEB112のリヤシート画像はこちら
そして、パワートレインも規格外だった。オールアルミ製ボディの骨格にはEB110と共通のカーボンファイバー製シャシーを採用。
エンジンには、EB110のクアッドターボ3.5リッターとは異なる、自然吸気の6リッターV12をフロントミッドシップに搭載し、前後重量配分を追求。
ブガッティEB112のエンジン画像はこちら
最高出力約460馬力を発生したこのパワーユニットに6速MTとフルタイム4WDを組み合わせることで、EB112のパフォーマンスは、0-100km/h加速4.3秒、最高速度300km/hを実現していたという。