注目の開幕戦は大混戦で波乱の展開に! TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2026に井口卓人率いるTeam Takutyが挑んだ (2/2ページ)

決勝は大荒れで望むような結果につながらず

 今回のオートポリス戦は、日曜朝に予選、午後に決勝を行う「ワンデイ決戦」です。日曜朝、予選開始時は路面がまだ少し濡れている状況でした。走行車両が増えるほど路面が乾きグリップが得られるため、15分間の予選が開始されても、ほとんどの選手はピット前で待機します。

 残り5分を切ったタイミングで多くのドライバーが動き出し、Team Takutyの3台もコースイン。ピットから出るアウトラップ、タイヤを温めるインラップ、そしてタイム計測を行うアタックラップ。まさに「1周」にすべてを懸けるのがこのワンメイクレースの醍醐味です。

 しかし、そのアタックラップでなにか問題が起きればタイムは記録されず、後方グリッドに沈むリスクもあります。過去に何度も苦い経験がありながらも、最高の路面条件でアタックしたいと願うのが勝負師たるプロドライバーの性(さが)でしょうか。

 Team Takutyの3台も好タイムでセクターを通過していましたが、ここでアクシデント車両が発生し、コース上で黄旗(イエローフラッグ)が振られます。黄旗区間ではタイム計測が認められないため、Team Takutyの3台を含む複数のマシンがノータイムとなってしまいました。

 また、どのタイミングで黄旗が出たのか、どのマシンが対象かという確認に時間を要し、正式結果の発表が遅れる事態となりました。午後の決勝開始時間が迫り、コースインの間際になってようやくグリッド表が発表されるという混乱のなか、Team Takutyの3台は出走嘆願書を提出。決勝への出走は叶いましたが、井口選手23番、久保選手25番、奥本選手26番という最後方に近いグリッドからのスタートを余儀なくされました。

 しかし、ここからの追い上げは圧巻でした。毎周のようにポジションを上げ、井口選手は12台抜きの11位、久保選手は10台抜きの15位、奥本選手も10台をパスして16位まで順位を上げます。

 さらなる上位を狙った矢先、中団を走行していたマシンから火の手が上がり、コースサイドで消火活動が行われました。これによりセーフティカー(SC)が導入されます。10周のレースのうち7周目からSCが入り、レース再開への期待もかかりましたが、消火活動に時間を要したためSC先導のままチェッカー。波乱の幕切れとなりました。

 11位フィニッシュの井口選手は「予選はいつも早めに出るのですが、珍しくギリギリまで待ってしまい、黄旗に捕まってしまいました。慣れないことをするとこうなりますね」と悔しさを滲ませつつも、「ブリヂストンタイヤの決勝での強さは分かっていたので、諦めずに追い上げられました。マシン、タイヤともに強さを確認できた収穫のあるレースでした。次戦のSUGOはニュル参戦と重なるため欠席しますが、現在スーパー耐久で共に戦うエンジニア・ドライバーが僕たちのマシンに乗る予定です。遠隔でサポートし、第3戦の岡山では新車を投入して熟成させていきたいです」と前を向きました。

 15位の久保選手は「久しぶりの後方グリッドでしたが、ポイント獲得のチャンスはあると思って戦いました。スタート直後の混戦でのポジション取りで流れを悪くしてしまいましたが、クルマの手応えは悪くない。次に向けて準備します」とコメント。

 16位の奥本選手は「予選は途中までめちゃくちゃいいタイムが出ていただけに残念。ですが、木曜からの試行錯誤や土曜の雨の練習など、すべてが良い経験になっています」とポジティブに振り返りました。

 今大会に合わせて、イベント広場では「AUTOPOLIS 86/BRZ STYLE 2026」も開催。九州出身ドライバーのトークショーや多くのショップ出展があり、新旧の86・BRZファンで大いに盛り上がりました。

 次戦は5月16日〜17日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されます。Team Takutyの3人はニュルブルクリンク24時間レースに参戦するため欠場しますが、代わりにスーパー耐久に参戦中の「Team SDA Engineering」から伊藤和広、花沢雅史、伊藤 奨の3名が代役としてプロフェッショナルクラスに挑みます。

 井口選手も「次世代の車両開発に繋げるためにも、現場の熱量を感じ取ってほしい。ニュルからサポートします」とエールを送りました。ドイツと日本、ふたつの舞台で繰り広げられる熱い戦いに注目です。


この記事の画像ギャラリー

新着情報