大好きな「クルマの運転」で生きていきたい……はレーシングドライバー以外にもある! 自動運転の脅威も忍び寄る「職業ドライバー」を将来性も含めてまとめてみた (2/2ページ)

人間ならではの対応力やホスピタリティが重要に

クルマを運ぶプロの「キャリアカー(積載車)ドライバー」

 新車や中古車を、ディーラーやさまざまな場所へ運ぶ仕事。クルマ好き各位であれば、積載車に載っている最新モデルや希少車を見て、胸躍らせた経験もあるだろう。

 だが、難易度はさすがに高く、大型・けん引免許のほかに、積み込みの熟練技も必要とされる。数センチの隙間を縫って、高価な商品車をパズルのように配置する作業はまさに職人芸。地上高の低いスポーツカーを傷つけずに載せる緊張感は、サーキットやSSにおけるシビアなブレーキングに通じるものがある(かもしれない)。

将来性:★★★★☆
車両の輸送需要は、販売形態がオンライン化したとしてもなくならない。むしろ「高級車を丁寧に運べるプロ」の価値は今後、ますます上がっていくと考えられる

「日本の大動脈」を預かる「高速バス・路線バス運転手」

 一度に数十人の命を乗せ、巨大な車体を時刻表どおりに走らせるという偉大な仕事だ。しかし、さすがに難易度は高く、大型二種免許が必要なほか、内輪差を完璧に把握し、狭い交差点を涼しい顔で曲がっていけるテクと経験が必要。深夜のハイウェイを淡々と一定のペースで刻むクルーズコントロールのような正確さや、混雑した駅前などを何年間も無事故で曲がり続けるカッコよさは、ベテランにしか出せない味だ。

将来性:★★★☆☆
深刻な人手不足のため、食いっぱぐれることはまずない。だが一方で、高速道路の特定区間での自動運転導入がもっとも早そうな分野ではある。10年後は「システムを監視・管理するパイロット」に近い立ち位置に進化しているかもしれない

隠れた高待遇職種の「危険物輸送(タンクローリー)ドライバー」

 ガソリンや化学薬品など、まさに「走る火薬庫」を操るプロフェッショナル。大型免許のほか、危険物取扱者乙4をもっている必要がある。そして、タンク内の液体は加減速のたびに揺動(波打ち)を起こし、車体の挙動を乱す。この特有の慣性を計算に入れ、究極にスムースなアクセルワークとブレーキングをこなすのがローリー乗りの真髄。その繊細さは、雨のサーキットを走るレーシングドライバーのようでもある。

将来性:★★★★☆
エネルギー需要がガソリンから水素やほかの液体燃料に変わったとしても、「液体を運ぶ」という物理的なニーズは変わらない。そして、資格が必要なぶんだけ参入障壁が高く、安定しているといえそうだ

縁の下の力もちな「レッカー・ロードサービス隊員」

 事故や故障で動けなくなったクルマを救出する公道のレスキュー隊。中型・大型免許のほか、当然ながら現場判断力も必要となる職種だ。足まわりが逝ってしまった車両をどう引き出すかなど、現場ごとに異なる状況を、ウインチと知恵で解決するゲーム性の高さも職業として魅力。また、他人の失敗(事故)をカバーする仕事であるため「感謝される機会が多い」というのも、やりがいにつながりそうだ。

将来性:★★★☆☆
ADAS(先進運転支援システム)の普及で事故自体は減るかもしれないが、パンクやバッテリー上がり、EVの電欠など、「現場へ行かなければ解決できないトラブル」は10年後も必ず残っている

 今後、仮にAIがハンドルを握る時代が来たとしても、「状況を判断し、機材を慈しみ、人やモノを安全に目的地へ届ける」というドライバーの本質的な魂は変わらない。プロのレーシングドライバーにはなれなかった悔しさを、それとはまた別のプロフェッショナルな現場で「誰にも真似できないスムースな運転と仕事」に昇華させるという生き方も、カーガイとしては最高にクールかもしれない。


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伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

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