この記事をまとめると
■重機オペレーターは周囲や地盤を読みながら繊細な操作を行う
■ベテランほど機械の癖や異音に敏感で動きも滑らかになる
■重機操作には経験で培われた感覚や現場との連携力が求められる
ただレバーを動かしているわけじゃない
大きな油圧ショベルを動かし、土をすくい、岩を崩し、ダンプに積み込む。その姿には迫力があり、機械の力で現場を一気に進めているように見える。しかし実際にその働きを司っているのは重機を操縦しているオペレーターであり、単にレバーを動かすだけではないのだ。周囲の安全を見ながら、地盤の状態を読んだり、作業員との距離を測り、機械の癖を感じ取りながら動かしたりと、全方向に注意を向けながらの仕事は、プロフェッショナルならではの技術も求められる。そんな重機オペレーターとして働く人にしかわからない独特の「あるある」を紹介しよう。
他人の掘り方がつい気になる
休憩中や移動中に別の現場の重機を見ると、ついバケットの入れ方、旋回の速さ、法面の仕上げ方に目が行く。「その角度だと土がこぼれるな」「もう少し手前からすくえば早いのに」など、心のなかで勝手に解説してしまう。テレビや動画で重機が映ったときも、オペレーターは爪先の入り方や旋回半径、足場の取り方を見ている。まさに職業病だ。
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機械が変わると最初の数分だけ妙に慎重になる
重機とひと口にいっても、メーカーや機種、年式によってレバーの反応や油圧の強さ、ブームの動き方が微妙に違う。いつもの感覚でレバーを倒したつもりでも、思ったより速く動いたり、逆に少し鈍く感じたりする。慣れた機械なら手足の延長のように扱えるが、初めて乗る機械では、最初に小さく動かして「この機械はどんな性格か」を確かめる。ベテランほど、その確認が丁寧。
バケットの先端感覚が自分の手先のようになる
ベテランオペレーターは、運転席から直接見えにくい場所でも、バケットの刃先がどこにあるかをかなり正確に把握できる。土を少しだけ削る、石をそっと寄せる、配管の近くを傷つけずに掘るなどの作業は、レバーを動かす手の感覚、機体に伝わる振動、エンジン音の変化、土の抵抗感を総合して判断している。見ている側には大雑把に見えても、実際には数センチ単位の神経を使っている。
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雨の日の現場でテンションが少し下がる
雨そのものが嫌というより、地面がぬかるみ、足もとが悪くなり、視界も悪くなることが問題。土は重くなり、バケットに張り付きやすくなる。ダンプのタイヤは泥を引きずり、現場内の動線も乱れやすい。さらに、キャタピラーに泥が詰まると移動にも気を使う。雨の日は、晴れの日と同じ作業でも手間が増える。しかも、仕上げたばかりの場所が雨で崩れることもある。オペレーターにとって雨は、作業効率だけでなく精神面にもよくない。