この記事をまとめると
■横断歩行者等妨害等違反は厳格化され年間約30万件が取り締まられている
■対向車線側の停止車両でも横断歩道前では一時停止が必要
■信号のない横断歩道では自車線だけでなく対向車線側にも注意が必要だ
意外なポイントでも見落とすと違反の可能性
ここ数年、横断歩行者等妨害等違反が厳しく問われるようになってきた。昨年、2025年の横断歩行者等妨害等違反の取締り件数は、全国で約30万件。少なくとも過去5年で30万件を下まわった年はない。
すでに知られているとおり、信号機のない横断歩道を車両が通過する際、横断しようとする歩行者がいる場合は、横断歩道の直前で一時停止し、通行を妨げないようにすることが義務づけられている。
もっとも10年前は、信号機のない横断歩道での歩行者横断時における一時停止する車両は、7.6%しかなく、2025年になってようやく56.7%にまでなってきた(いずれもJAFの調査)ので、まだまだ十分とはいえないが、それでもドライバーの意識はだいぶ変わってきたのは間違いない。
横断歩道での一時停止画像はこちら
しかし、ここにきて横断歩道通過時のルールにまた新たな問題が出てきて話題になっている。それは道路交通法第38条2項の解釈だ。道路交通法第38条2項には次のように書かれている。
車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない
つまり、信号機のない横断歩道において、その横断歩道の手前の直前で停止している車両の側方を通過し、その前方に出るときには一時停止しなければならないということ。これだけ読むと「横断歩道の直前で停止している車両」というのは、自分の走行している車線のクルマと考えるのが普通ではなかろうか。
ところが、対向車線が渋滞していたりして、対向車が横断歩道の直前、自分から見て横断歩道より手前側にクルマが停止していたときに一時停止をしなかったとして、横断歩行者等妨害等違反でキップを切られた、とSNSで報告する例が増えている!
違反切符を切っている様子画像はこちら
道路交通法第38条2項の「(横断歩道)手前の直前で停止している車両等」に対向車が含まれるのはおかしいという主張なわけだが、実際のところどうなのだろうか。これについては都道府県ごと、あるいは現場の警察官によって判断がまちまちだったのだが、どうやら2024年に警察庁が統一見解を出したとのこと。
それによると、上掲の「横断歩道の直前で停止している車両」には、「対向車を含む」となったらしい。これには異を唱える弁護士も少なからずいるようだが、少なくとも現状では対向車が横断歩道の直前に止まっているシチュエーションでも、一時停止し安全を確認しないと違反キップを切られる可能性が大となっている。
もちろんこの法解釈に異議がある場合は、サインを拒否することも選べる(おそらく不起訴=無罪になるはず)が、少なくとも警察官に現場を目撃されると取り締まりを受けることになるので、自分の車線に限らず対向車線でも、信号機のない横断歩道直前に停車車両があった場合は、横断歩道の手前で一時停止するようにしよう。