フェラーリとの強固な関係が生んだMC12! ガワはマセラティ・中身はエンツォな激レアモデル【21世紀スーパーカーFILE #030】 (2/2ページ)

FIA GT選手権で圧倒的なパフォーマンスを披露したMC12

 リヤのサブフレーム上には、エンツォ用のF140B型を基本に独自のチューニングが施された、5998ccのV型12気筒DOHC自然吸気エンジンが搭載され、最高出力で632馬力、最大トルクでは652Nmを発揮した。

 これはエンツォ比では最高出力で30馬力ほど控えめな数字になるが、それでもウェイトがわずかに1335kgに抑えられたMC12は、6速セミAT(カンビオコルサ)との組み合わせで、0-100km/h加速を3.8秒で、また0-1000mを20.1秒で駆け抜け、最高速では330km/hに到達するパフォーマンスを誇ったのだ。

 その独特なアピアランスからも容易に想像できる高い空力特性がこの運動性能、とりわけ最高速を実現するのに大きく貢献していることは当然だ。参考までにMC12のホイールベースはエンツォ比で150mm長く、前後のオーバーハングも大きく拡大されている。

 そしてMC12は、マセラティのプランどおりにレースの世界にも見事に参戦を果たす。2004年シーズンの途中でFIA GT選手権のGT1クラスにデビューすると、すぐにその圧倒的なパフォーマンスを披露。2005年には同選手権を総合2位で、また2006年シーズンには総合優勝で終えることに成功している。

 マセラティはこの総合優勝を記念して同年の12月にMC12の限定モデル、「ベルシオネ・コルセ」を発表。こちらは搭載エンジンを755馬力にまで強化し、323km/hの最高速を可能にしたわずか12台の、まさに究極のMC12ともいえるモデルだった。

 ただし、公道走行用のホモロゲーションは取得されていなかったため、実質的にはサーキット走行専用車という扱いだ。

 MCの称号は、このMC12シリーズの生産が終了するとしばらくマセラティのラインアップからは消え去ってしまうが、それは2020年「100%メイド・イン・モデナ」のキャッチフレーズのもとに誕生した「MC20」で見事に復活を遂げることになる。

 マセラティにとってMCの名はいかに特別なものであるのか。それは改めて詳しく説明するまでもないだろう。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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