チューニングが難しいハイブリッド車を手懐けた そして極め付けは、なんといってもその心臓部であるエンジンにある。なんとこの「CR-Z MUGEN RZ」は、後付けで遠心式のスーパーチャージャーが1.5リッターエンジンにドッキングされ、ノーマルとは比べものにならないパワーが与えられていた。「CR-Z MUGEN RZ」は後期型のCR-Zがベースとなっているので、新型のリチウムイオンバッテリーが搭載され、デビュー当時のモデルよりさらに軽快で瞬発力のある仕様となっていたが、それにさらなる力を無限は与えていた。このスーパーチャージャーはロトレックス製だったそう。
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これにより、1.5リッターのi-VTECエンジン+モーター+スーパーチャージャーの組み合わせで、最高出力は156馬力、最大トルク185Nmと大幅アップ。ノーマルの6速MT車が最高出力120馬力、最大トルク145Nmだったことを見ると、大幅にパワーアップしていることがわかるはずだ。モーターに手は加えられていない。スーパーチャージャーによる加速はガツンとくるものではなく、じわじわ加速するような、伸び感重視のフィーリングだったそう。
ちなみにCR-Zは、無限が国内最高峰のモータースポーツであるSUPER GTに市販車と同じハイブリッド仕様で2012年の途中から参戦させていたこともあり、それ向けに開発していたレース用インタークーラーと同等のコアを採用し、高い冷却性能を秘めていたところも注目に値する。
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スーパーチャージャーは排気効率も重要な要素なので、専用エキゾーストシステムも導入されているほか、専用ECUに3モードドライブシステムを組み合わせ、最高出力&最大トルクを惜しみなく発揮できる「PLUS SPORTシステム」も選べるようになっていた。
インテリアも専用デザインで、テーマカラーの青を多く取り入れた仕様だったほか、過給機がついている証明である、ブースト計が追加されていた。そのほかにも、限定車には欠かせないシリアル番号入りプレートや、無限のカーボン製シフトノブ(専用デザイン)が取り付けられ、乗っていても「無限のコンプリートカー」に乗っていることを忘れさせない演出がなされていた。見ても乗ってもスペシャルな1台だったのだ。
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なお、この「CR-Z MUGEN RZ」は、2011年のグッドウッド・フェスティバルオブスピードや2012年の東京オートサロンで展示された、グリーンのボディカラーが特徴的な「CR-Z MUGEN RR Concept Pre Production MODEL」がモデルとなっており、こちらはタイムアタックの聖地、筑波サーキット2000では、通常のCR-Zより5.6秒速い1分08秒612を記録している。ただしこちらは市販車よりも+20馬力以上のパワーが出ているスペシャル仕様であることを付け加えておく。
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と、ただ見た目だけ追求した”なんちゃって”仕様とは一線を画す、ホンキの1台であったが、通常モデルがおおよそ240万〜260万円ほどだったのに対し、2倍に迫る462万2400円という価格が影響してか、かつての無限RRのように「10分で完売!」とはいかず、聞くところによると、販売から約2年後の2014年春の時点でも、数台の在庫があったといわれている。
この背景には、価格以外にCR-Zはデビュー当時、「CR-X(初代・2代目)の再来だ!」と大注目されていたが、実際はその大人しいスペックに「期待外れ」との評価が少なくなく、早々に市場から飽きられてしまったことも影響していたのかもしれない。
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そんな貴重かつ悲運な運命を辿った「CR-Z MUGEN RZ」だが、原稿執筆現在、中古車市場には3台掲載されており、190万円(全塗装済み)、249万円(全塗装済み)、336万円(オリジナル塗装)といった具合。CR-Zとしてみれば高額だが、いまのところプレミアム価格にはなっていない様子。
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いますぐ値上がりする可能性は低いが、”無限”の2文字に憧れがある人にはこれから先、見逃せない1台になりそうだ。