これはポルシェのようでポルシェじゃない! じつはチューニング屋じゃなく自動車メーカーな「RUF」が作った「CTR3」の衝撃的パフォーマンス (2/2ページ)

今までのコンプリートカーとは一線を画すモデルだった

 やや前書きが長くなってしまったが、ここからは今回の本題である「CTR3」へと話を進めよう。

 その名が示しているとおり、CTRとしてはサード・ジェネレーションにあたるCTR3のデビューは2007年。それは初代CTRの生誕20周年を記念するアニバーサリーモデルとしての役を担うルーフの意欲作でもあった。ワールドプレミアが行われたのは、前後してバーレーンのインターナショナル・サーキットに併設して完成されたルーフの新工場。ここでCTR3の姿を初めて見たゲストがまず驚かされたのは、その独特なボディーフォルムだったに違いない。

 CTR3のフロントセクションからはポルシェの997型911の面影をわずかに感じることができたものの、それ以外のセクションはルーフによれば1950年代から1960年代にかけてのヴィンテージ・ル・マン・レーシングカーのビジュアルを反映したという流麗なスタイルへと変貌を遂げていたからだ。ちなみにこのCTR3は、そのプラットフォームからカナダのマルチマティック社との共同開発によるルーフのオリジナルで、それまでのCTRシリーズとの大きな違いはエンジンのマウント位置がリヤから、より理想的なミッドシップへと変更されていたことだった。

 CTR3のエンジンは、もちろんポルシェ製のそれをベースとした3746ccの水平対向6気筒ツインターボ。シリンダーブロックとヘッドはアルミニウム合金製で、KKK製のターボチャージャーを組み合わせることで682馬力の最高出力と90.8kg-mの最大トルクを得ていた。横置きされるミッションは6速のシーケンシャルマニュアル。パワーユニットを取り囲むアルミニウム製のスペースフレームは「バードケージ」と呼ばれ、カーボンケブラーによるボディー素材を採用したことなどとの相乗効果によって、車重は1400kgという数字に収まった。

 サスペンションはフロントに911由来のマクファーソン式ストラット、リヤには水平コイルオーバーショックアブソーバーを備えたマルチリンク式を採用する。ホイールは前後それぞれ19インチ径、20インチ径の設定。これにはミシュラン製のパイロット・スーパースポーツ・タイヤが装着されていた。

 0→96km/h加速で3.2秒、最高速は375km/hが公称されたCTR3は、これまでのCTRシリーズと同様に30台が生産されたが、ルーフはその後、その進化型となる「CTR3クラブスポーツ」、そして「CTR3 Evo」をそれぞれ2012年、2023年に発表。最高出力を777馬力に高めるなど、さらに高性能化が進められたクラブスポーツでは7速PDKの組み合わせも実現し、またEvoにおいては800馬力の最高出力が掲げられるに至っている。


この記事の画像ギャラリー

山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

新着情報