ドローンとトラクターが連携した超ハイテク農業の時代到来! 農家の後継者不足もこれなら解決

この記事をまとめると

■農業の現場では最新技術が多く投入されている

■ドローンによる農薬散布や自動運転のトラクターが導入されている

■コストがかかるが人がいなくても効率よく農作業が進められる

自動化が人手不足の農業を救う

 クルマの世界では自動運転やコネクテッド技術の進化が目覚ましいが、それらを遥かに凌ぐ勢いでハイテク化が進んでいるのが「農業」の現場だ。なかでも、空を飛ぶ「ドローン」と陸を駆ける「トラクター(農業機械)」を通信で連携させ、効率的な農作業を実現するシステムが大きな注目を集めている。

 このシステムの基本は、ドローンが「目(センサー)」、トラクターが「手足(インストルメント)」として機能する緻密な役割分担にある。まず、ドローンが上空から田畑を自動飛行して搭載されたカメラで撮影を行う。これをもとに、作物の生育状況・病害虫の発生場所・雑草の分布といった、目視では不可能なレベルのデータを数分でスキャンするのだ。

 得られたデータはクラウド上で瞬時に解析され、肥料や農薬の散布が必要なエリアを特定した「処方箋マップ」が作成される。このマップが通信を経由して、ダイレクトにGNSS(衛星測位システム)と自動操舵機能を備えたハイテクトラクターに転送されるのである。

 これを導入するメリットは、省力化に加えて資材の大幅なコスト削減と環境負荷の低減にある。全面に一様な量の農薬や肥料を撒く従来の方法とは異なり、トラクターはマップに従って「必要な場所に、必要な量だけ」をピンポイントで投入することができる。これにより、肥料や農薬の消費量を3〜5割近く削減することが可能になるのだ。

 また、基本的にドローンが「目」の役割をするので、広大な土地を人が見まわる必要がなくなる。トラクターの自動運転と組み合わせれば、夜間の作業や熟練者でなくても精密な農作業を行うことが可能になる。わが国の農業は、小規模で非効率な上に深刻な労働力不足に陥っているから、その解決策の一助として期待できる。さらに、収穫量と品質の均一化が図れることも大きい。生育が遅れている場所だけにピンポイントで追肥を行なえるため、畑全体の作物の育ちが揃う。これは出荷時の規格統一や、収穫効率の向上に直結するのだ。

 一方で、解決を必要とする以下のような問題がある。

・初期投資(導入コスト)の高さ
高性能ドローン・解析ソフト・通信機能を備えた自動運転対応トラクターをフルセットで揃えるとなると、数千万円規模の莫大な費用がかかる。

・通信のインフラや規格
山間部など電波状況が悪い地域では、リアルタイムのデータ連携が途切れるリスクがある。また、ドローンのメーカーとトラクターのメーカーが異なると、データのファイル形式が合わずに連携できないことがある。

・天候への依存度
ドローンは強風や雨天時には飛行できず、トラクターも大雨直後のぬかるんだ土壌では思うように動けない。空と陸、双方のコンディションが揃う必要がある。

 とはいえ、このシステムは「勘と経験」に頼っていた農業を、「データ駆動型(データサイエンス)」に変貌させようとしている。ドローンとトラクターは、単なる作業機械ではなく、高度なIoTデバイスとして互いにリスペクトしあう関係になる。農業の現場はいまや、最先端の自動運転技術とデータ通信が交差する、モビリティ・テクノロジーの最前線となりつつあるわけだ。


この記事の画像ギャラリー

新着情報