この記事をまとめると
■2026年11月1日より自賠責保険料が平均6.2%値上がりする
■過去に自賠責保険の一部が財務省に借りパクされており問題にもなっていた
■自賠責保険の値上がりはトレードオフのようにも一部から見られている
理不尽な自賠責保険の値上げが始まる
2026年11月1日より、自賠責保険料が平均6.2%引き上げられることが決定した。
自賠責保険の値上がりは2013年以来、約13年ぶりで、自家用乗用車(24カ月契約)の場合、現在の1万7650円から1万8560円へとなり、約910円〜1000円程度の増加が見込まれている。「物価や賃金が上昇しているなか、自賠責の保険料が値上がりするのも仕方がないか……」と思うかもしれないが、ちょっと待った。
ちなみに自賠責保険とは、交通事故の被害者救済を目的とし、対人賠償(人身事故)のみを補償する保険。原付を含むすべての自動車に加入が義務づけられていて、「強制保険」ともいわれているものだ。
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なお自動車事故は、「衝突被害軽減ブレーキ」をはじめとする安全支援技術(ASV)の普及で、近年発生件数は減っているはず。事実、2020年の交通事故発生件数は、30万9178件。2021年は30万5196件、2022年は30万0839件、2023年は30万7930件、2024年は29万895件、2025年は28万7023件と順調に減少しているのにおかしな話だ。
車両価格や修理費、工賃などが高騰している関係上、対物保険な、事故が減ってても保険料が高くなるのはまだ納得できるが、対人オンリーの自賠責の値上がりはなかなか納得しづらいものがある。たしかに、医療費も値上がりしているのはたしかだが、事故件数が減れば相殺されるのでは?
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また自賠責といえば、財務省の「借りパク問題」も忘れてはならない。
財務省の「借りパク問題」とは、バブル崩壊後の財政悪化を受けて、1994年度および1995年度に自動車損害賠償責任再保険特別会計(現・自動車安全特別会計)から一般会計へと1兆1200億円繰り入れられていた問題。
このうち、2003年度までに6921億円は繰り戻されていたが、その後、約5741億円が長期間にわたり未返済のまま残っていた!
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自動車安全特別会計は、ひき逃げ・無保険事故の被害者救済や療護センター運営などが目的だが、その原資は自動車ユーザーが支払った保険料やその運用益となっている。
これまで被害者救済に充てている費用は年間約150億円。それに対し運用益は年間30億円ほどとかなり不足していて、その運用益が足りないというのも、今度の自賠責保険値上げの理由のひとつだが、そもそも財務省が5741億円を返済しないために、運用できる資金が少なく、結果として運用益が足りなくなっているわけで、諸悪の根源は財務省にあるといっても過言ではない。
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もっともこの財務省「借りパク問題」については、2025年度補正予算で一括返還(返済)されることが決定したので、ようやくひとつの目処がついたところではあるが。
しかし、この決定で、「財政が安定すれば保険料の引き下げにもつながりうる」と期待されたにもかかわらず、まるでそのトレードオフのように自賠責保険の保険料を上げてくるのは、やはり釈然としない。
過去には(2009年4月より)、道路の建設・維持にしか使えなかった自動車税(およびガソリン税等)の「道路特定財源」が廃止され、使途が自由な「一般財源」に統合された例もあり、どうにも自動車ユーザーの負担はフェアとはいえない現実がある。
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「税金は取りやすいところから徹底的に取る」というのが、今も昔も政府のやり方なので、自動車ユーザーはもっと自動車関連税や、公金の使い方に関心をもって、ときに大きな批判の声を上げないと、いいカモにされたままになってしまう。
ちょうど今は自動車税の納付が終わったころの季節だ。メンテナンス費以外のクルマの維持費について、もう少し考えてみよう。