パンク後の判断がその後の命運をわける
さらに、トラックのタイヤは重い。ホイール付きのタイヤは人がもち上げられる重さではなく、とくに大型用になると扱いにはかなりの力とコツがいる。ホイールナットの締め付けトルクも大きく、緩めるにも締めるにも専用の工具が必要になる。しかも締め付け不足は脱輪につながり、締めすぎも部品に負担をかける。交換後に一定距離を走ってから増し締め確認が必要になることもあり、パンク修理はその場で終わりではないのだ。
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こうしたふいに訪れるパンクは運行管理の面でも大きな問題が出る。納品時間に間に合わないとなれば、まず会社や配車係に連絡し、荷主、納品先、場合によっては次の積み地にも影響が及ぶ。冷凍車や冷蔵車なら庫内温度の維持も気になるし、時間指定の荷物なら遅延報告のタイミングも重要になる。こうしたトラブルに対してベテランほど判断が早くなる。
自力で何とかできるのか、ロードサービスを呼ぶべきか、車両を動かせる状態なのか、代車や横もちが必要なのかを切りわける。焦って走り続けるより、被害を広げない判断のほうが大切だと知っているからだ。
また、パンクしたタイヤの位置によって深刻度も変わる。前輪は操舵にかかわるため、異常が出ると車両の挙動に直結する。後輪のダブルタイヤは気づきにくい反面、発見が遅れると隣のタイヤやフェンダー、泥除け、ブレーキ周辺まで傷めることがある。バーストした破片が荷台下の配線やエア配管を破損させることもあり、そうなると単なるタイヤ交換では済まなくなる。
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意外と知られていないのは、パンク後の処理にもドライバーの経験が出ることだ。安全な停車位置の選び方、三角表示板や発炎筒の使い方、後続車への見せ方、ロードサービスへの現在地の伝え方、積み荷の状態確認、納品先への説明。そのひとつひとつが、二次事故やクレームを防ぐための仕事になる。
だからトラックドライバーはタイヤをただの消耗品として見ておらず、空気圧、摩耗、偏摩耗、傷、発熱、荷重、道路状況。それらを毎日の運行のなかでチェックし続けているのだ。