「未来のピニンファリーナ」「10年後のジウジアーロ」を発掘! 中高生が対象の「第14回モビリティデザインコンテスト」の大胆な発想に感動!!

この記事をまとめると

■「第14回モビリティデザインコンテスト」が2026年3月23日に開催

■中高生を対象に「10年後の暮らしを楽しくする乗り物」をテーマとして作品を募集した

■大賞に輝いたのは昨年度のモビリティデザイン賞を受賞した中学生の鈴村新太さんだった

自由な発想が未来のモビリティをより豊かにする

 2026年3月23日、アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)において、「第14回モビリティデザインコンテスト」の表彰式が開催されました。これは、公益社団法人自動車技術会デザイン部門委員会が企画する「モビリティデザイナー人材育成プログラム」の一環で、日本のモノづくり産業、自動車産業の将来を担う、想像力豊かな人材の発掘と育成を目的とする、中高生世代を対象としたコンテストです。

 14回目となる今回のテーマは、昨年に準じ「10年後の暮らしを楽しくする乗り物」。毎回300件前後の応募がありますが、今回も357件と多くの作品が寄せられました。

 審査は「自分が考えているイメージや機能が絵に表現されているか」「新規性、進歩性、独創性、実現性」を視点にデザイン部門委員会など31名が実施。佳作のほか、工学的な工夫に優れた「ダビンチ賞」、イメージや機能がもっとも優れて絵に表現された「モビリティデザイン賞」、創造性に優れる「審査員特別賞」、そしてトータルでもっとも優れた「モビリティデザイン大賞」で構成されます。

●トライアスロンレースをクルマに置き換えた提案

 さて、3次+最終の4回に渡る厳正な審査の結果、今回のモビリティデザイン大賞に輝いたのは中学生の鈴村新太さん。昨年度のモビリティデザイン賞に続き、今回はいよいよ大賞の受賞となりました(各賞については下記に掲載)。

 作品名は「TRYATH X」。地球全土を舞台に陸・海・空を1台のマシンで駆け抜ける「モビリティ・トライアスロン」を想定。人とモビリティが人機一体となって競うためのマシンという提案です。

 標準型に加え、ホイールのプロペラを使ったスカイモード、バギー風のオフモード、水中翼により浮力するマリンモードと、シンプルなボディを利用した4パターンの変形は、個体電池とインホイールモーターによるAWD駆動が自慢。この未来的モビリティを創造した鈴村さんは、意外にもボルボ850などちょっと古い欧州車が大好きという生粋のマニアです。

「学校にカーデザインの講座があって、担当の先生にこのコンテストを紹介してもらったことが応募のキッカケです。今回はスポーツ競技をクルマでやってみたらどうなるかを考え、トライアスロンを提案しました。機能を中心に考えてシンプルにしつつ、インパクトのあるフォルムを心掛けました。将来はやっぱりカーデザイナー志望です!」(鈴村さん)

 表彰式後には、各自動車メーカーの現役デザイナーにより、応募作品のブラッシュアップを試みるワークショップが行われました。各受賞者は「プロのデザイナー」によるアドバイスと、最新の描画ソフトを駆使し、より高いクオリティの表現に挑戦、大きな刺激を受けていたようです。

●日本のモノ作りを担う才能をどう育成するか?

 近年、「デザイン」は従来の狭義の意味から、UX(ユーザーエクスペリエンス)など体験を含めた広義の意味が注目されています。行政や金融機関がデザイナーを積極的に採用するなど、アート思考やデザイン思考が社会課題解決と極めて親和性が高いことが広く認識されているのです。

 本コンテストの目的は「世界をリードするモビリティデザイナー」の誕生ですが、単に意匠の表現に止まらず、10年後の世界観を創造するというテーマは、コトの体験や社会課題解決など、まさに広義のデザインを実践しています。

 中高生の多くがイラストやゲームキャラクターに夢中になるいま、「将来のモノづくりの人材を確保するために必要なものはなにか?」。走りの性能や機能はもちろんですが、クルマ(モビリティ)作りにおいて、デザインはもっと正当かつ正確に評価されるべきなのかもしれません。

【おもな受賞者(敬称略)】

⚫︎モビリティデザイン大賞:鈴村新太

⚫︎モビリティデザイン賞:田淵虹希(中学生の部)・井上朝斗(高校生の部)

⚫︎ダビンチ賞:岩田優一(高校生の部)

⚫︎審査員特別賞:會田六花・竹野 碧

⚫︎佳作20名


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すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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