クルママニアを唸らせる韓国映画の劇中車! 古く見えれば……じゃなく本当にその時代のクルマを揃えているところに感動必至!! (2/2ページ)

細部まで作り込む姿勢が析出している

 いまどきの韓流ドラマでは富裕層が乗るクルマとして出てくるのはジェネシス(ヒョンデの上級ブランド)車ばかりで違和感を覚えてしまうので、現代劇では徹底的にいまの韓国を描き、自国PRにも使っているように見ている。自国ブランドのスマホのアップがよく出てくるのもその流れなのかもしれない。どちらにしてもなにかを真剣に考えて反映させているところを興味深くウォッチしている。

『タクシー運転手 約束は海を越えて』を数年前に観たときはこの作品だけのこだわりなのかなあと感じていたのだが、今回集中して韓国映画で過去を描いた作品を観ると、時代考証が見事に行われていたことに驚かされた。

 日本の映画やドラマは大作といわれる作品でも太平洋戦争前や戦中を描いた作品であるのに戦後発売されていた車両が出てきたり、1960年代を描いているのに1970年代のクルマが登場してくるといった「痛い」作品を過去には見ていた。ちなみに筆者が見てきたなかで「これはなかなか」と思った邦画は、1985年8月に起きた日本航空123便墜落事故の真相に迫る地元新聞社の様子を描いた『クライマーズハイ』を挙げることができる。1985年当時にまさに街なかを走っていたクルマが集められ撮影小道具として使われており、スタッフのこだわりを強く感じることができた。

 どうも日本の映画やドラマでは小道具としてのクルマが軽んじられているように感じている。「なんか古ければいい」といったしっかりした時代考証をせずに使っているところを見ると、作品への感情移入も十分できずシラけてしまう。

 韓国は映画やドラマ、音楽などのエンタテインメントコンテンツを国策として捉え、世界へ発信している。それだけ確実な目的をもって、その実現のために徹底的にこだわる姿勢が見えて、最近はとくに韓国の作品に強い感心をもつようになっている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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