アカデミー賞「助演車両賞」を進呈! クルマが主役じゃないのに「日本車」がイイ味出してる「映画とクルマ」7選 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマは映画のストーリーを演出するアイテムとしてよく使われる

■クルマが主役の映画でなくても映画とともに脳裏に刻まれるクルマがある

■筆者が観たなかで日本車がイイ味を出している映画とクルマ7つを紹介

昭和初期と末期の日本を描いた作品とその時代を象徴するクルマ

 クルマが登場する映画と言えば……? っていうか、ここ最近のアクション映画には必ず派手なカーチェイスが登場しますな。例えば筋肉粒々のハゲオヤジとその仲間達がアメリカン・マッスルカーやジャパニーズ・チューンドカーなどで街なかをカッ飛ばす映画(最近は世界中をカッ飛んでいるみたいですが)とか、あるいはもうひとりのハゲオヤジがスーパーカーで荷物や人をA地点からB地点まで運ぶ映画とか……。

『ワイルド・スピード MEGA MAX』© 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 今回ご紹介したいのはそういうカッ飛び放題&ぶっ壊し放題の映画ではなく、きちんとしたストーリーがあって、複雑&意味深かつ儚い人間模様の中にクルマが登場する作品を紹介したいんです。かと言って、フォード マスタングが登場する『男と女』とか、ダスティン・ホフマンが赤いアルファロメオに乗る『卒業』とか、スティーブ・マックイーンがポルシェ911Sで登場する『栄光のル・マン』とかじゃありませんよ。そういうエンスーなクルマと映画は、エンスーなクルマ専門誌に任せておけばいいんです。一般的なクルマ好きの味方であるWEB CARTOPが紹介したいのは、日本車が印象的なシーンで登場する作品と、もちろんその日本車の素性についてです。

 まずは昭和30年初頭の日本の下町を舞台に、そこに暮らす人々の日々と悲哀を描いた群像ドラマ『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年公開)。吉岡秀隆や須賀健太、堤 真一、薬師丸ひろ子、堀北真希らが、戦後の日本経済復興で懸命に働く庶民を演じた名作です。

 その生活を支えたのが“はたらくクルマ”のシンボルであるダイハツ・ミゼットです。通称「オート三輪ミゼット」はコンパクトなボディにも関わらず荷物が載せられる使い勝手の良さと、三輪ならではの軽快さで下町の細い路地を颯爽と走っていたのです。

 このミゼットは劇中の「鈴木オート」の社用車としてオープニングからエンディングまで登場しますが、じつは映画の時代設定(ストーリー)とクルマの登場年が微妙に合わなかったとか? でも、まぁ、映画製作サイドとしては「観客が観て“懐かしい!”と思ってくれれば良いさ」と割り切って(?)、ミゼットを採用したとか。う〜む、その判断はズバリ! ロードショーを観た多くのおじさん&おばさん(いや、お爺さん&お婆さんかな?)は、元気に走るミゼットを通して、自分の青春時代が蘇り、その場で号泣したとかしなかったとか。

 まぁ、日本の実情を描いた日本映画に日本車が登場するのは当然かもしれませんが、今度はバブル時代の日本を描いた作品を紹介しましょう。

 日本中が浮かれていた1980年代後半に原田知世や三上博史、原田貴和子、高橋ひとみなどが当時の華やかで楽しいライフスタイルと恋(少し冒険も?)を描いた『私をスキーに連れてって』(1987年公開)です。いやはや、志賀高原のスキー場を舞台にしたラブロマンスが、当時の日本中の若者の煩悩を刺激。日本中に一大スキーブームを巻き起こしたのです! そして、登場人物よりもストーリーに重要な役割を見せるのが、当時デビューしたばっかりのセリカGT-FOURです。

 “流面形”という造語がまさにぴったりの流麗かつスタイリッシュなフォルムと、世界ラリー選手権向けのホモロゲバージョンならではの高性能さ(2リッター直列4気筒DOHCインタークーラーターボで160馬力)で爆発的な人気を博しましたっけ。

 このセリカGT-FOURを原田貴和子(白ボディ)と高橋ひとみ(赤ボディ)が志賀高原まで走らせるどころか、ストーリー後半では「あるトラブル」が勃発して志賀から万座高原のスキー場まで激走しちゃうんですよねェ。

 いやぁ、このおふたりが演じるアクティブな女性は、どちらも“女だてら”に凄いドラテクでしたな。彼女らは走り出す前に必ずドアを開け、「あるしぐさ」をするんですよ。そのしぐさを真似た若者が何人いたことか(笑)。その「しぐさ」と「あるトラブル」については、あえて書かないでおきましょう。興味が湧いた人は、DVDかネット配信でチェックしてみてください。


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