ファンを涙させたアルピーヌA110には続きがあった! グッドウッドを駆け抜けた「無音の」A110の正体とは? (2/2ページ)

第3世代は2シーターと2+2をラインアップ

 興味深いのは、2シーター用と2+2シーター用とでは、バッテリーの搭載位置が異なる設計とされていることだ。前者のそれは総エネルギーの25%を占めるバッテリーパックをフロントに、残りの75%ぶんをリヤに分割して配置し、両者を強靭なアルミニウム製ハーネスで直列に接続する構造を採るが、後者はフロア下のホイールベース間に一体化されたバッテリーを搭載する。

 参考までに使用されるバッテリーは円筒形セル(46115)と2フロアのセル・トゥ・パックを備えたNCM化学組成を採用したもので、エネルギー密度は750Wh/L、もしくは275Wh/kgという数字が得られている。搭載量についての発表はなかったが、量産モデルの車重はおおむね1500kg程度になると見られている。

 また、アルピーヌ社CEOのフィリップ・クリーフ氏は、バッテリーサイズよりもエネルギー密度を優先してその開発を行っており、コンパクトで軽量なアーキテクトを作って俊敏性と剛性を維持することを目指したという。WLTPの航続距離を最大化するためにドライビングの楽しさを犠牲にするのはアルピーヌの望むところではないとコメントしているから、これまでのA110と同様のライトウエイトスポーツとしてのドライビングプレジャーは確実に継承されているのだろう。

 ちなみに800Vのエレクトリックアーキテクトを採用する新型A110は、10%から80%までの充電をベストな環境であればわずか15分で完了させることが可能だという。

 2シーターと2+2シーターで駆動方式を差別化しているのも大きな特徴だ。2シーターはリヤにデュアルeパワートレインを搭載するが、これはふたつのインペラふたつの減速機、そしてふたつのインバーターをコンパクトに一体成型したもので、もちろん新開発されたもの。モーターの最高回転数は2万rpmと発表されており、ローターとステーターの両方にオイル冷却システムが備えられている。

 一方の2+2仕様では、さらにフロントにeパワートレインが搭載され、駆動方式は4WDとなる。アルピーヌはこのフロア下にバッテリーを搭載する2+2モデルでも、車高を1.25m未満に抑えることを強く意識しており、それはBEVスポーツカー時代の新しいリーダーとなると強く主張する。

 プレゼンテーションの場で公開されたAPPからは、サスペンションの構成なども従来型とは大きく変化していることが確認できた第3世代A110。どうやらそれは、デビュー時には相当に大きな話題を呼ぶ一台となりそうだ。

 正式な発表は、今年の秋に開催されるパリサロンになると見るのが自然なところだろうか。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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