利便性・経済性・静粛性・安全性・走破性を高次元で両立
ドライブモードは「Balanced」「Comfort」「Efficiency」「Dynamic」「Individual」の5種類。デフォルトは「Balanced」 で、「Dynamic」を選択するとエンジンが始動し、車高が下がり、すべての制御がスポーティになる。一方、一般道では「Balanced」や「Comfort」で十分な完成度を見せる。
さらに注目すべきはオールホイールステアリングによる後輪操舵を備えている点だ。60km/h以下では後輪が最大5度逆位相、60km/h以上では最大2度同位相に操舵されることで、狭い道では取りまわし性を、高速域では安定性を大きく向上させている。
アウディA6のタイヤとホイール画像はこちら
一般道での走行フィールは極めて自然だ。ステアリング初期応答は過敏ではなく、それでいて遅れもない。比較的軽量な直列4気筒エンジンをフロントに搭載したこともあり、重量バランスが優れている。クワトロシステムとの組み合わせによって旋回加速中も非常にニュートラルな姿勢とライントレース性を維持する。直進安定性が高く、長距離運転に適した特性が引き継がれている。
試乗車は20インチタイヤを装着し、ヨーロッパ生産のファルケンタイヤを履く。ロードノイズは極めて小さく、乗り心地も優秀。アウディらしいフラットライドが復活した印象を受ける。
アウディA6のタイヤとホイール画像はこちら
一方、荒れた舗装路ではバネ下の重さを感じさせる入力がやや強めに伝わり、サスペンション取り付け部付近に細かな振動が残る場面もあった。この部分がさらに磨かれれば、かつてのA8に迫る上質感を獲得できるはずだ。
後席はセダン形状により十分な頭上空間を確保し、6:4分割可倒式シートによって荷室の実用性も高い。後席はリクライニング機構やサイドウインドウの電動サンシェードは備えないものの、ロングホイールベースがもたらす居住性は申し分ない。
アウディA6のリヤシート画像はこちら
高速域では静かな室内と優れた空力性能が生み出す伸びやかな走行感覚が際立つ。風切り音は極めて少なく、伝統的な空力特性に優れたプレミアムセダンらしい移動品質を存分に味わえる。
試乗車の車両本体価格は898万円。試乗車にはS lineパッケージ、テクノロジーパッケージ、MMI experience proパッケージ、Bang & Olufsen 3Dサウンドシステム、20インチアルミホイールなど総額293万円分のオプションが装着されていた。SUV人気が続く現在でも、セダンだからこそ実現できる低重心と空力性能、そして高速巡航性能には揺るぎない価値がある。
アウディA6の走行シーン画像はこちら
充電不要の48V MHEV、経済性に優れたディーゼル、静粛性、クワトロによる安心感と全天候性、そしてアウディ伝統の空力性能。そのすべてを高い次元で融合した新型A6は、BEVモデルばかりが国内に送り込まれている輸入車市場において、いまもっとも現実的で完成度の高いセダンとして注目すべき存在だ。
新型A6はいまもっとも現実的な輸入セダンだった画像はこちら