一括返済をさらに阻むタイヤ交換と車検の出費
ともあれ、以上のことを考えると、①の「クルマを販売店に返却する」がもっとも現実的で、損をしない選択肢と考えてよさそうだ。「結局、メーカー/ディーラーの思うツボじゃん」と不満に思う人もいるかもしれないが、それが残クレなのだと理解するほかない。
かく言う筆者も過去に残クレのお世話になってきたひとり。おカネに余裕はなくても欲しいクルマならしかたないと納得している。しかし、そうは言っても、無駄に損をする必要はないので、細かい値引き交渉など、それなりの工夫はしてきたつもりだ。
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じつを言うと、つい最近も残クレで購入したクルマを手放して、別の新車に乗り換えたばかり。
4年半ほど前、本当なら到底手の出ない輸入車をイキオイにまかせて5年(60回)均等払いの残クレで購入。今年12月に返済満了日を迎える。
支払いを終えても乗り続けるつもりでいたが、ローンの明細書に改めて目を通すと残債は約400万円! 一括で完済できそうにない金額に焦りつつ、「再ローンだったらどうか?」と電卓を叩く。と、仮に24回の均等払いとした場合、金利を除いても月々16万円+α(!)。あまりの金額の大きさに目がくらんだ。
さらに悪いことに、タイヤもそろそろ交換時期。大きなサイズの高性能タイヤゆえ4本換えれば軽く20万円を超える出費。しかも満了月の12月は車検(こちらも20万円オーバー)も待っている。
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大事にしてきたクルマは高額査定のご利益あり
残価率が比較的高かった分、月々の支払いに苦しまずにすんだ4年半だったが、もはやどうにもなりそうにない。まさに、「避けたい」と前述した③の「再ローンを組む」の最悪パターンそのものだ。
ならば、①の販売店にクルマを返却して(=下取りに出して)、別の新車に乗り換えるか? とも考えたが、多少プラス査定になったとして、ある程度車格を下げて改めて残クレを使ったところで、新車に買い換えようとすれば相当の頭金が必要だ。あるいは、毎月多額の支払いが求められるのは避けられそうにない。
そこでとった行動が、購入した販売店ではなく、多少なりとも高額査定が期待できる買取専門店で買い取ってもらって残債(=残価)を完済。さらに差益が出たら、その分を次の新車の購入費に充てる作戦だった。
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無論、これは中古車市場で人気のある車種に限られ、手入れが行き届いていて、内外装の状態がよく、さらに走行距離も妥当であることなどが絶対条件だが、今回、おそらくディーラー査定では期待できそうにない高額査定を得て、残債の完済に加え、少なくない差益を得ることに成功。某国産車への乗り換えを果たすことができた。
もはやクセになってしまったのか……じつは、今回もまた懲りずに残クレでの購入。これまで乗っていたクルマと比べれば、性能を含めて車格は一気にダウンしたが、頭金の一部に充てた追金は、タイヤ交換や車検で必要だっただろう費用より少額で、月々の支払いはいままでの約半分。返済満了時の残債もまた、一括、あるいは短期の再ローンでも無理なく支払える範囲に収まった。
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これまで何度か利用した経験からすると、残クレは月々の支払の負担を減らし、本来なら手の届かないクルマを身近にしてくれる決して悪いローンではないと思う。しかし、いい部分だけでなく、デメリットやリスクにも目を向けること。そして贅沢なクルマも程度問題。身の丈に合った車種選びがなにより肝心だ。
遅ればせながら、「ようやくオレもオトナになったなぁ」とつくづく思うのだ。
※本記事は雑誌「CARトップ2026年8月号」の記事を再構成して掲載しています