【試乗】スズキ新型軽EV「eスカイ」に乗った! EVらしさを抑えた「あえての普通っぷり」を打ち出した理由 (2/2ページ)

プロトタイプにサーキットで乗った印象は

 一充電走行距離は310km。通勤や近所への買い物はもちろん、週末に足を延ばして日帰り温泉、といった使い方にも十分な余裕があります。車両サイズは全長3395mm、全幅1475mm、全高1625mmで、ワゴンRなどと同じトールワゴンのカテゴリー。最小回転半径4.4mと、取りまわしのよさも健在です。今回、撮影・試乗した車両のカラーは、深みがあり品を感じさせる「イマージョン・ブルー」でした。

 プロトタイプをサーキットで試乗して感じたのは、「変わりすぎていない」ということです。ガソリン軽の延長線上にある軽づくりを重視して仕立てられたEV、という印象を受けました。

 数年前、EVが登場したばかりのころは速さや先進性に注目が集まりがちでしたが、eスカイはそちら一辺倒に振らず、EVは自由にアレンジできる存在なのだと体現してくれるクルマでした。

 加速は緩やかで、アクセルを踏み始めた初動も柔らかく、突き上げ感はありません。ストレートで加速する場面でも、じわじわと速度を上げていく感覚で、”急”のつく動きが極力起きないように味付けされています。ガソリン軽から乗り換えても、乗り味や加速性能に驚かされることはないでしょう。

 しかし、それこそがこのクルマの美点といえるでしょう。自分が電気自動車の走りに合わせにいく必要はなく、むしろeスカイのほうが従来の軽の走りに寄り添ってくれている。この味付けは、EVだからこそどこまでも尖らせることもできれば、逆にどこまでも寄り添う方向へ振り切ることもできるのだと気づかせてくれます。運転のしやすさはそのままに静粛性は向上しており、快適度は確実に上がっているといえます。

 ガソリン軽からの「乗り換えやすさ」を突き詰めた「eスカイ」。派手さで魅せるのではなく、日常に自然と溶け込むことを選んだこの一台は、EV初心者にこそ勧めたいクルマです。市販モデルの正式なお披露目が、いまから楽しみです。


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