デジタル領域の進化も著しい
そして新型CLAでパワートレインと同じくらい大きく進化したのがデジタル領域だ。ダッシュボードには複数の大型ディスプレイが横方向に展開され、運転席正面には速度や回転数だけでなく、周囲の交通状況を視覚化して表示できる。前走車や大型車、対向車や人の存在などがリアルタイムに描かれるため、ADASがどの対象を認識しているのかドライバー側でも把握しやすい。

音声アシスタントのMBUXもAIを活用した新世代へ進化しており、「ハイ、メルセデス」と話しかけることで車両機能の操作や情報検索が可能となる。試乗時点では受け答えにまだ発展途上と感じる部分もあったが、重要なのはOTA(Over The Air)によるソフトウェアアップデートによって購入後も機能を進化させられるという仕組みだ。自動車は完成品を購入して終わり、という時代から明確に変わりつつある。
安全面では各種エアバッグに加え、運転席と助手席の間にセンターエアバッグを設定。側面衝突時に乗員同士が接触する二次衝突のリスクを抑える考え方で、こうした部分にも新世代メルセデスらしい安全思想が表われている。
室内では標準装備される大面積のパノラミックルーフが開放感を高める。UVや赤外線を大幅に遮断するガラスを採用している一方、物理的なサンシェードをもたない点には好みがわかれそうだ。室内を完全に暗くしたい場合や、駐車中に車内を外から見えにくくしたいという要求には、遮光機能を備えたガラスのほうが望ましいと感じる。

フレームレスドアと流れるようなルーフラインによるCLA独特のクーペスタイルは健在だ。それでも後席には実用的な空間が確保され、トランクスルーも可能。デザインだけに偏らず4ドアセダンとしての実用性もしっかり残されている。
新型CLA 220を走らせて感じるのは、単純な「エンジン車の電動化」ではない。エンジン、モーター、トランスミッション、48V電装系、ADAS、AI、そしてソフトウェアまでをひとつのシステムとして再構築した新時代を担うクルマなのである。

前述したとおり190馬力を発生する1.5リッターターボに22kW/85Nmのモーターを組み合わせながら、WLTCモード20.2km/Lを実現するパワーユニットだが、その数字以上に、エンジンの存在を意識させない滑らかなドライバビリティに新世代CLAの価値がある。
BEVにもハイブリッドにも、さらに四輪駆動である4MATICにも発展できる新しい車体・電動化アーキテクチャー。そのポテンシャルを考えれば、CLAの進化はまだ始まったばかりだ。この先、もしAMGの高性能バージョンへと展開されるなら、この高度な電動技術がどんな走りを生み出すのか。そこにも大いに期待したくなる。
