新世代BEVにも「駆け抜ける歓び」があった
実際に走らせてみるとハンドリングが進化していることに驚いた。ステアリングを切り始めた瞬間からフロントタイヤの接地感が濃厚で、切り増していったときの反応は極めて正確。思い通りにノーズがインへ向いていく。コーナー出口へ向けてアクセルを踏みこんでいけばリヤ駆動的なフィーリングで旋回力を高めながら強烈なトラクションを発揮。
BMW iX3の走行画像はこちら
こういった挙動は従来のBMW車も得意としていたが、すべての動きが滑らかに連携していて、極めて洗練された印象を受ける。電子制御が介入していもHeart of Joyによって極めて高速に処理されるため、ドライバーには制御されている感覚がほとんど伝わってこない。
車内にも新世代感が溢れている。従来のメーターパネルを廃し、フロントウインドウ下部の端から端まで約110cmにわたる「BMWパノラミック・ビジョン」を採用。速度やバッテリー残量などをドライバー正面に表示し、それ以外のエリアは好みに応じてカスタマイズできる。17.9インチのセンターディスプレイなどと組み合わせた新世代のBMWパノラミックiDriveを、BMWオペレーティングシステムXが支えている。
BMW iX3のインテリア画像はこちら
運転支援も進化した。ハイウェイ・アシストが用意され、高速道路では一定条件下で130km/hまで対応するハンズオフ機能を搭載。さらに、システムから車線変更を提案された際にはドライバーがドアミラーを見るという自然な動作を検知して車線変更支援をする機能まで備えている。
欧州メーカーのBEVは、2世代目あるいは3世代目となって大幅に進化し、デジタライズもより一層推し進められている。iX3が興味深いのは、プラットフォームから電動パワートレイン、E/Eアーキテクチャー、ソフトウエアまで一気に刷新しながら、それらを最終的に「BMWらしさ」へ結びつけていることだ。
BMW iX3と石井昌道さん画像はこちら
SDVの時代になっても、BMWにとってもっとも大切なのは「駆けぬける歓び」。ノイエ・クラッセ第一弾のiX3に乗ると、新技術そのものよりも、それを使って何を実現するのかが重要なのだと改めて思わされるのだ。
BMW iX3の諸元表画像はこちら