「電動パーキングブレーキ」による快適な運転っぷりに手放せなくなる人続出! 万能装備と思われがちだが「落とし穴」に要注意 (2/2ページ)

整備と故障時には負担が大きい

 便利さの裏側で負担が増えるのが、整備の場面である。EPBの代表的な弱点は、電動化・電子制御に伴って構成部品や制御系が増え、構造そのものが従来方式より複雑になることだ。後輪のブレーキパッドやシューを交換する際は、モーターが機構を締め付けたままでは作業できないため、あらかじめモーターを解除位置まで戻す操作が必要になることが多い。車種によっては、診断機を使って整備モードに切り替えたり、整備後に初期化・学習作業を行ったりする必要がある。

 従来の機械式パーキングブレーキに比べると、DIYでの整備ハードルは高くなる。モーターやセンサーといった電子部品自体が故障した場合も、部品交換が必要になることがあり、不具合の内容によっては、部品代や診断・作業費がかさむ可能性もある。

 もうひとつの弱点は、電気に依存する仕組みならではのトラブルだ。EPBはスイッチ操作で作動と解除を制御するため、車両の電源が入っていない状態では通常の操作で解除できなくなる可能性がある。JAF(一般社団法人日本自動車連盟)は公式サイトで、EPBが解除できない場合の対処法として「スタート(パワー)スイッチをオンにし、パーキングブレーキスイッチで解除する」という手順を案内しており、電源の確保が解除の前提であることがわかる。

 故障車をけん引したり、積載車へ載せたりする場面では、EPBが解除できないと車輪を自由に動かせない場合がある。車種によっては非常解除の手順が用意されているため、取扱説明書を確認しておきたい。洗車機などで車両をニュートラルのまま移動させる場合も、EPBやオートブレーキホールドが作動しないよう、車種ごとの手順を確認する必要がある。

 寒さが厳しい地域でも注意が必要となる。JAFによれば、EPBにはエンジン停止で自動的に作動する車種があり、寒冷地では凍結を避けるため、取扱説明書を確認した上で自動作動しないよう対処することが推奨されている。ワイヤー式のパーキングブレーキも凍結を避け寒冷地では使わないよう案内されているが、EPBの場合はドライバーが意識しないうちに自動でブレーキがかかる点が独特のリスクだ。便利な自動化が、そのまま凍結トラブルの引き金になりかねない。

 EPBは、ACCとの連携やオートブレーキホールドによって停車時の疲労を大きく減らしてくれる装備であり、その快適さは一度体験すると手放しがたい。ただし整備のハードルが上がる点や、電源トラブル時には通常の操作で解除できなくなる可能性があること、寒冷地では凍結に注意が必要なことなど、次にクルマを選ぶ際は、こうした注意点も踏まえたうえで、自分のカーライフに合っているかどうかを見極めてみてほしい。


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