この記事をまとめると
■スズキの軽乗用EV「eスカイ」プロトタイプに試乗してじっくり観察した
■穏やかな走り出しのeスカイはこれまでのガソリン車と同様な感覚で走らせることができる
■スズキは圧倒的な交流電力量消費率により小さいバッテリー容量で長い航続距離を実現した
スズキ初の軽乗用EVが示す「バッテリーリーン」という本質的価値
スズキ初となる軽乗用EV「eスカイ」のプロトタイプをじっくり観察することができた。サーキット試乗と静的確認、さらにエンジニアからのヒアリング、合計2時間以上の取材から感じた部分をお伝えしたいと思う。
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すでにスズキは、インド製の量産EV「eビターラ」で3ナンバーの乗用EV、ダイハツ・トヨタと共同開発した軽商用EV「eエブリイ」とラインアップしているが、スズキ自身が国内で生産する(湖西工場の予定)乗用EVという点において、エポックメイキング的モデルとなる。
その上で、注目したいのはスズキ初の軽乗用EVとしての開発コンセプトと、技術的アプローチだ。
基本となるコンセプトは「EVである前に、軽自動車である」というもの。EVという特別な新しい乗り物ではなく、従来の軽自動車ユーザーが自然に乗り換えられることを第一義としている。このコンセプトは乗り味、使い勝手の両面での目標となったという。
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実際、プロトタイプを試乗した第一印象は、軽自動車の理想像というものだった。ともすれば、EVではパフォーマンスをアピールすべく外連味あふれる発進加速だったりするが、eスカイの走り出しは非常に穏やかで、ガソリンエンジン車と同じようなアクセルワークでも自然に走らせることができる。それでいて、100km/hまで段付き感もなく速度を高めて行く様子は、EVに期待するスムースネスを示している。
165/65R14というタイヤサイズは、1990年代のスポーツ軽2シーター「カプチーノ」の純正装着サイズと同じだが、あくまで偶然だろう。EVらしい低重心はコーナリング時の安心感につながっているが、キレキレのハンドリングマシンに仕上げているわけではない。あくまで軽自動車に期待する範囲のコーナリング性能であり、ちょっと無理なハンドル操作には、すかさずESC(横滑り防止装置)が介入してくる。このあたりの仕上がりも従来の軽自動車からの乗り換えユーザーが違和感を覚えずに済むだろう。
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EVらしい機能として採用される「イージードライブペダル」は、アクセルワークだけで加減速をコントロールできる機能。これを活用すれば、一度もブレーキペダルを使わずに、試乗した袖ヶ浦フォレストレースウェイをなんなく走ることもできたのはさすがだが、全体としてはスズキの軽自動車という響きから想像する範囲の走り味になっていた。
EVに先進性を求めるユーザーにとっては物足りないかもしれないが、「EVである前に、軽自動車である」というコンセプトを具現化していると評価すべきだ。
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さて、ここでeスカイプロトタイプの主要スペックを紹介しよう。全長3395mm・全幅1475mmは軽自動車規格に合致したもので、全高は1625mmと高め。これはワゴンRのようなハイトワゴン的といえるが、140mmとちょっと余裕のある最低地上高や外観全体のイメージからするとハスラー的なクロスオーバーSUVの王道スタイルと捉えることができそうだ。
ホイールベースは2460mmで、最小回転半径は4.4m。前述したように、外径が大きめの14インチタイヤを履いているわりには小まわりが効く設計となっているのも「EVである前に、軽自動車である」というコンセプトに合致している。