ワイヤー式は過去の話でいまやアクセルも電子制御化
両手でハンドル(/シフト)操作をしながら、両足はペダル操作を行う。ATで2ペダルの場合は右足だけでアクセルとブレーキを操作するのが一般的だ。左足はフットレストに置いて、体重や姿勢を支えるのも重要な役割と言える。
一般車のMT車には3つのペダルが配置されている。説明するまでもなく、一番右にアクセル、中央にブレーキ、左はクラッチだ。この並び順は右ハンドル車も左ハンドル車も変わりなく、世界共通のレイアウトとなっている。ペダル類は車体のキックボードの上から吊り下げられているのが一般的で、床に支点を持たせたオルガン式ペダルを採用するメーカーも多い。
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アクセルペダルはエンジン(あるいは電動モーター)の出力をコントロールするもので、旧式のクルマはアクセルとエンジンのスロットルバルブがワイヤーで繋がれ、アクセルペダルを踏み込むとスロットルバルブが開く構造となっていた。
しかし、近年は電子制御化が進み、アクセルペダルユニットは電気信号を送る装置にすぎなくなっている。アクセルペダル踏力は内部のリターンスプリングの強さだけで決まり、操作感が味気ない。ATのキックダウンスイッチもこのユニット内に組み込まれていて、踏み込む量と速さ、タイミングで電子制御されている。吊り下げ式もオルガンタイプも基本的に同じ仕組みであると言える。
正確なドライビングにフットレストは不可欠
ブレーキペダルは踏み込むことで車体側のマスターシリンダーリンクを押し込み、ブレーキ液圧を高める。アクセルよりもブレーキシステム本体とのダイレクトな繋がりを感じられるため、熱フェードやベーパーロック、ブレーキディスクローターの曲がりやパッドの摩耗などがペダルインフォメーションとして得やすい。ただし、昨今ではこれも電動化によってスイッチ機能だけとなってしまっているものも増えてきている。
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MT車の場合のクラッチペダルはトランスミッションとエンジンの中間にあるクラッチをワイヤーや油圧で操作する。MTのクラッチ機構はいまやもっとも原始的なメカニズムとして残っていると言っても過言ではないだろう。クラッチを繋ぐタイミングや感覚を踏力とペダルストロークで身体に覚え込ませる必要があるため、操作感覚が伝わり、ドライビングが楽しいと思えるゆえんとなる。
フットレストは3ペダルでも2ペダルでも必需品と言え、フットレストがなければドライビングを軽視しているクルマだと言っていい。
ペダルの操作はカカトをフロアに置き、ズラすように行う。ゆえにフロアマットが固定されていないことも本来あり得ないことなのだ。
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ペダル操作は走行中に行うためカカトを支点として意識しないと、全方向のGに対して正確に操作できなくなってしまう。とくにサーキット走行など、強いGが加わる状況では身体をいかに動かないように固定し、正確なペダル操作を行えるかが重要な課題となる。そのためにドライバーはペダルの配置、ストローク、フットレストなどにこだわって最適化するのである。
また一部では左足を使ったブレーキ操作も話題になるが、ボクは一般道走行においても左足はフットレストに置いて身体をホールドすることを重視すべきだと考えているので避けるべき。モータースポーツの世界であっても5点式シートベルトとバケットシートで十分な姿勢の固定が可能な場合に限って左足ブレーキングを行えるのだ。
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講師 中谷明彦
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武蔵工業大学工学部機械工学科卒(塑性工学専攻)。レース/ジャーナリスト活動と併行して、新車やタイヤの開発にもかかわり、4WD車や電子制御による車両運動性能の解析を得意分野とする。1989年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員に就任。1997年よりドライビング理論研究会「中谷塾」を開設し、佐藤琢磨らを輩出している。
※本記事は雑誌「CARトップ2026年5月号」の記事を再構成して掲載しています