速さを求めて4WDもリヤシートも捨て去った
もうひとつの大きな特徴が、駆動方式の変更だ。CLE53が4WDを採用するのに対し、CLE 646は軽量化と操縦性を優先し、あえて後輪駆動のみとした。電子制御式のリミテッドスリップデフを組み合わせることで、コントローラブルなドリフト特性も引き出せるという。専用チューニングされたローンチコントロールにより、0-200km/h加速はわずか11.4秒、最高速度は310km/hに達する。
メルセデスAMG CLE 646 スペツィアルアンフェルティグング画像はこちら
外観でもっとも目を引くのは、前後で60mmずつ拡幅されたワイドボディだ。ボディシェルを補強・拡幅することで得られたこの絶対的なワイドさが、コーナリング性能の向上と極太タイヤの装着を可能にしている。多くの標準部品がカーボンファイバー製へと置き換えられ、随所にサーキット走行を見据えた軽量化が施された。
足まわりには、走行スタイルやコース、用途に応じて緻密なセッティングが可能なスチール製コイルオーバーサスペンションを新採用。伸び側・縮み側を独立して調整できる4段階可変式ダンパーを核とし、幅広い走行シーンに対応する。
メルセデスAMG CLE 646 スペツィアルアンフェルティグング画像はこちら
フロントディフューザーは手動で「ストリート」「レース」の2モードに切り替え可能で、レースモードではベンチュリー効果によりフロントのダウンフォースを増大させ、直進安定性と正確なステアリングフィールを高める仕組みだ。ブレーキにはAMGセラミック製ハイパフォーマンスブレーキシステムを採用し、フロントバンパーの大型エアインテークと専用の冷却導風路により、サーキット走行下でも高い制動性能を維持する。
内装も走りへの徹底したこだわりを反映し、リヤシートと防音材を取り払い、軽量なカーボンファイバー製ドアパネルとサポート性に優れたバケットシートを標準で組み込んだ。ねじれ剛性を高めるロールオーバーバーも装備される。インフォテインメントや運転支援システムの一部も簡略化され、AMGパフォーマンスステアリングのスイッチ類も削減。より直接的なドライビング体験を追求した結果といえる。
メルセデスAMG CLE 646 スペツィアルアンフェルティグング画像はこちら
価格は公表されていないが、ベースとなるCLE53を大きく上まわるのは間違いなく、海外メディアでは数千万円規模になるのではとの見方も出ている。
理性的なエンジニアたちが見た非合理的な夢を、そのまま現実にしたようなこの1台。ミトスシリーズが今後どんなモデルを送り出していくのか、期待は膨らむばかりだ。