この記事をまとめると
■プレミアムセダン「マークX」の名を冠したミニバンが存在した
■「マークX ジオ」は名前こそ「マークX」だったが共通する要素はなかった
■斬新なコンセプトで登場したが市場からは評価されず売り上げは低迷した
鳴り物入りで登場するも市場の反応はイマイチ
トヨタ車は周到に開発され、販売面で失敗することは少ないが例外もある。それが2007年に発売されたマークXジオだ。マークXは後輪駆動のセダンだが、マークXジオは前輪駆動でプラットフォームも異なる。セダンのマークXとは別の車種だが、認知度の高い「マークX」の車名を冠した。
マークXジオは、全高を立体駐車場が使える1550mm(2WD)に設定したワゴン風のボディを備えるが、3列目のシートも装着していた。そして3列目を使えばミニバン、格納するとワゴン、荷室に大きなトノボードを装着するとセダンになるとアピールされた。
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マークXジオの販売目標台数は1カ月当たり4000台とされたが、売れ行きは伸び悩んだ。発売から約2年を経過した2009年の1カ月平均登録台数は、マークXセダンを含んでも約2100台にとどまった。
当時はマークXセダンの人気が根強かったから、マークXジオの1カ月平均登録台数は1000台前後と思われた。発売からわずか2年で、発売時に公表した販売目標台数の約25%の売れ行きになった。
当時、販売店にマークXジオが売れない理由を尋ねたところ、「3ナンバーサイズのミニバンなのに、3列目のシートが狭すぎる。お客さまがマークXジオを目当てに来店されても、3列目をご覧になって購入を諦めてしまう」という意見が圧倒的に多かった。
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マークXジオの車両コンセプトは「4+Free」、つまり4名で乗車して、ボディ後部のフリースペースをミニバンやセダンのように使いわけられるものだ。しかし、「3列シート」の3ナンバー車であれば、少なくとも当時は、多くのユーザーがLサイズミニバンだと考えた。
それなのに実際の3列目は、当時の3ナンバーミニバンの初代アルファードと比べて大幅に狭い。5ナンバーサイズで価格の安いワゴン風ミニバンのウィッシュと同等だったから、マークXジオは販売が低迷した。
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価格は直列4気筒2.4リッターエンジンを搭載する上級の240Gが286万円、V型6気筒3.5リッターの350Gは333万円で、当時のマークXセダン250Gや300Gと同等だ。マークXジオは「価格が高い割に、狭くて使えないミニバン」と位置付けられた。
ちなみに1997年に発売された前輪駆動のマークIIクオリス、2002年にセダンのマークIIと同じ後輪駆動で登場したマークIIブリットは、純粋なワゴンとして開発され、人気も相応に高かった。
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しかしマークXジオでは、3列目シートを使えばミニバン、格納するとワゴン、荷室にトノボードを装着するとセダンになるという、「4+Free」コンセプトで失敗した。斬新で興味の湧く発想だったが、机上の空論でユーザーには受け入れられなかった。
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マークXジオに似た失敗例に、2015年に発売されたホンダ・ジェイドがある。コンセプトは「さまざまなシーンに応える居住性とフレキシブルな使い勝手、セダンライクな低全高でスタイリッシュなデザイン」というものだったが、全高は1530mmに抑えられ、3列目は完全な補助席だった。走行安定性は優れていたが、ユーザーはそこを求めておらず、2列仕様も追加したが、結局は売れずに終わった。