電動化でも伝統は継承
インテリアではベントレーの象徴である「翼」をモチーフにした左右対称のダッシュボードを採用し、センターコンソールやステアリングホイールにはあえて物理スイッチを残すことで、確かな操作感を追求した。いたずらに先進性をアピールしない点が、ベントレーたる威厳を感じさせる。シートは完全新設計で、16ウェイ調整やシートヒーター・ベンチレーションを標準装備。オプションでは体圧分散を自動調整する「ポスチュラル・アジャスト」も用意される。
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BEVで官能性を表現するにあたって、もはや避けては通れない「サウンド」の面も見逃せない。トルカルの開発チームが出した答えは、ドラムやヴィオラ、ベースギターといった実際の楽器を用いた走行サウンド「ベントレー・ダイナミック・シンフォニー」の制作だった。単なる電子音の再現に留まらず、加速時のトルク要求量や車速に応じて重厚な低音域が精密に変化し、ドライバーへの感覚的フィードバックを高めているという。ウインカー音にはレザー工房の音を、通知音にはクリスタルグラスの音を採用するなど、細部にまでこだわりが行き渡っている。
内装素材にも新機軸が光る。老舗ファブリックメーカー、フォックス・ブラザーズと共同で世界初の100%メリノウール自動車用ファブリックを開発したほか、端材のウォールナットとクラフトペーパーを最大1000層重ねてスライスする「オムブレ・ウォールナット・バイ・マリナー」など、サステナビリティと伝統的クラフツマンシップを両立させた新素材を随所に採用した。
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余裕のパフォーマンスと最先端テクノロジー、そして人の手による温かみ。ベントレー初のBEVという大きな挑戦にありながらも随所で「らしさ」を貫いたトルカルは、電動時代のラグジュアリーSUV像をひとつ更新する存在になりそうだ。