フェラーリやランボやベントレーを「変身」させて大ウケ! フェラーリから訴えられるほどの存在感「アレス・デザイン」って何もの? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ロータスのCEOだったダニー・バハール氏が設立した「アレス・デザイン・モデナ」

■既存モデルを再解釈して新たなモデルとして提案する手腕に優れている

■「アレス・デザイン・モデナ」はデトマソ・パンテーラをモチーフにしたプロゲット・ウーノで一躍有名となった

フェラーリを去りロータスを解雇された男のスーパーカー

 2014年、イタリアン・スーパースポーツの聖地ともいえるモデナの地に、新しいコーチビルダーが誕生した。アレス・デザイン・モデナ社(以下アレス・デザイン)と呼ばれ、古代ギリシャの神が使用したとされるヘルメットをモチーフとしたエンブレムを掲げるこの新興勢力を率いるのは、ダニー・バハール氏。

アレス・デザイン・モデナのエンブレム

 記憶のどこかにその名前を憶えている人もきっと多いだろう。かつてフェラーリからロータスへと移籍。そのリーダーとして一度に5台ものコンセプトカーを発表してみせるなど、きわめて積極的な経営戦略で世界を驚かせたものの、その後さまざまな意見の相違から同社を去ることを強いられた氏だが、世界の富裕層により魅力的なスポーツカーやラグジュアリーカーを提供したいという熱意は変わらず、このアレス・デザインを自ら設立したのが誕生までの背景だ。

 ちなみに創業時の従業員はわずかに5名程度だったというが、現在ではすでにその数は100名を大きく超えるまでに至っている。

 アレス・デザインの仕事は、ベース車から独自のカスタマイズを行うことが中心だ。つまり、それは最新の、あるいは比較的新しいメカニズムはそのままに、かつてイタリアで隆盛を誇ったカロッツェリアがそうであったように、独自のデザインによるボディやインテリアを作り出していくこと。

アレスS1のサイドビュー

 そうすることでまったく白紙の状態からアレス・デザイン・ブランドのモデルを作り上げるよりも容易に、認証などの問題をクリアすることが可能になるという。

 これはバハール氏がロータス時代に、さらに時間をさかのぼればフェラーリに在職していた時代に直面したもっとも面倒でコストのかさむ作業であり、それは当然の結果としてカスタマーが支払う価格へと反映されることになる。実際に、これまでアレス・デザインから発表されたモデルを見ても、それらはどれも魅力的なデザインを実現したものばかりだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
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