高熱で硬化する特殊な性質
さて、現代の自動車パーツ用チタン材だが、目立つ存在として垂涎の的になっているのはチタン製エキゾーストシステムだろう。軽量、高強度、高耐熱性とくれば、エキゾーストパーツとして別格の存在として映る。もちろん高額だが、チタン合金の使用は、要求性能を高い次元で満たしてくれる贅沢な素材として高い付加価値をもっている。
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ただし、完全無欠かといえば、意外なところに落とし穴があった。熱の問題である。もう少し正確にいえば、チタンは高熱を受けると硬化する特性があり、これが振動を受けると意外なほど簡単に破損してしまうのだ。力の加わらない箇所での使用ならそれほど問題はないのだが、振動や外力が加わる部分での使用は要注意なのである。
余談だが、エキゾースト系パーツの構成素材といえば、生産車ならコスト、加工性、量産性に優れることからスチール製が圧倒的多数を占めるが、アフターパーツ市場を見るとステンレス製が目に付く。ステンレスは鉄とクロムの合金だが、強度が高いため肉厚を薄くすることができ、結果、軽量で耐食性の強いエキゾーストパーツとなる。
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エキゾースト系パーツの素材としてほかには、もともとが軍事規格であったが民生化されたインコネルが挙げられる。ニッケルを主体にクロム、鉄、ニオブ、モリブデンなどを配合した合金で、F1のエキゾースト素材として使われている。
チタンは、スーパーマテリアルという印象が強く、実際もそのとおりで、常温下の構造材として使用した場合、軽量で高強度という理想的な特性をいかんなく発揮するが、高熱を受けて硬化し、その結果、振動や外力によって破損しやすくなる、という特徴も覚えておきたい。通常、ジェットエンジンなどでチタン材を用いる場合は、想定温度が500℃以下となる部分での使用が一般的となっている。