上級セダンにも走りを追求したグレードとして設定
そして、「タイプR」に代わるサーキット仕様として追加された「タイプS・ゼロ」では、「タイプS」よりもハードなサスペンションを採用のうえ、メルシートや遮音材が削減され、HIDヘッドライトは設定なし、エアコンとオーディオに至ってはワイヤーハーネスを含めて非装着。シングルマスフライホイールや軽量バッテリーの採用、リヤパーテーションガラスの一枚化といった、「タイプR」と同様の軽量化メニューも施されることで、「タイプS」よりも50kg軽い1270kgまで軽量化されていた。
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この初代NSXの「タイプS」が、公道走行に求められる最低限の快適性を維持しながら、より高性能かつレスポンスに優れた走りを楽しめる「ワインディングベスト」のキャラクターを備えたことで、「タイプS」がホンダファン、クルマ好きにある程度認知され、その後の「タイプS」各モデルのポジションも明確化されたのではないだろうか。
【3代目インスパイア/2代目セイバータイプS(2001年4月)】
アコードとレジェンドの中間に位置するFFミドルラージ高級セダン「インスパイア」と「セイバー」に「タイプS」が設定されたのは、1998年10月に国内デビューした3代目インスパイアと2代目セイバーが、2001年4月にマイナーチェンジを受けたタイミングだ。
両車はデビュー当初よりJ32A型3.2リッターとJ25A型2.5リッター、いずれもV6のSOHC VTECエンジンを設定しており、J32A搭載モデルは「32V」のグレード名が与えられていたが、2001年4月のマイナーチェンジではこれが「タイプS」にスイッチ。
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J32Aは従来の225馬力/5500rpmと30.0kgm/4500rpmから260馬力/6100rpmと32.0kgm/3500rpmへ、パワー・トルクとも大幅にアップしたのに加え、タイヤサイズも205/60R16 92Vから215/50R17 91Vへと拡大。これに合わせてスプリング・ダンパー・スタビライザーとも強化された専用セッティングのサスペンションとVSA(横滑り防止装置)も与えられた。
また、J25A搭載車も含めた全車のATが4速から5速へ多段化のうえMTモードも備わり、エクステリアもヘッドライトやフロントグリルが大型化されるなど、全体的にスポーティな性格が強まったのもこのタイミング。
アメリカで開発・生産される自由でおおらかなFFミドルラージ高級セダンという、これまたホンダ車らしいキャラクターのもち主だった3代目インスパイア&2代目セイバーの、それは宗旨替えに等しいものだった。
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が、ラフにアクセルペダルを踏み込めば容易にVSAが作動するほどトルクフルかつ、中高回転域での吹き上がりが鋭く、心地よい加速とホンダミュージックが楽しめる進化型J32Aと、マニュアルモード付き5速AT、引き締まった足まわりとのコンビネーションは、確かに「タイプS」を名乗るにふさわしい、高級スポーツセダンの乗り味だった。