パリの無法地帯な渋滞と異常な物価高……。ル・マン24時間レース取材は終わったあとも過酷だった【みどり独乙通信】 (2/2ページ)

戦争や中東情勢により欧州のガソリン価格は大打撃

 パリ手前からの超ノロノロ運転では、両脇をバイクが何台もすり抜けますので、バイクに接触されないかとハラハラです。案の定、渋滞中に抜けたバイクが事故を起こして横転、接触されたクルマは大きな傷がついていました。バイクの方は一旦路肩に避難されていましたが、なぜか足を引き摺りながらバイクに戻ろうと道路を横断し始め、危うくまた轢かれそうになって冷や汗ものでした。明日は我が身、いつ自分にも起きるかわからない事故です。

 ただでさえ酷いパリの渋滞なのに事故渋滞も重なり、ぐったりしながらドイツ方面へ向かう路線へ入ると一気に流れがスムースになりましたが、単調な道路が数百kmも続くのでとにかく退屈です。とくにヨーロッパの高速道路は基本的にほとんど街灯がなく真っ暗。深夜の時間帯は前後に走っているクルマが居なさ過ぎて不安になってしまうほど。

 そんななか、フランス最後の休憩で、ドイツ国境近くのストラスブルクのサービスエリアへ立ち寄ることにしました。

 クルマを降りると、駐車場にもガンガンに音楽が流れていました。こんな状況に遭遇するのはヨーロッパでも初めてだったのですが、これは日本語の歌? ショップでコーヒーを購入する際に、店員さんに「流れている曲は日本語ですか?」と聞いたところ、元気いっぱいに「Yes!」という返事が返ってきました。じつはこの店員さんが日本カルチャーの大ファンであり、彼がシフトに入る深夜帯にはJポップ専門チャンネルを流してノリノリでお仕事をされているんですって。店員さんがここに就職してから日本人客と遭遇したのは初めてだそう。私もこんな真夜中のフランスの高速道路のサービスエリアで日本語の歌を聴けるとは思いもよらず、短い時間でしたが眠気も吹っ飛ぶ楽しいコーヒータイムを過ごしました。

 ロシアとウクライナの戦争や中東情勢でヨーロッパのガソリン価格は非常に高額で、フランスもその影響を強く受けており、ドイツとほぼ同じような金額。E95という超高級車以外の一般的な自動車が給油する種類のガソリンが、ル・マン市内の平日の日中で2ユーロ前後でした。現在の円に関すると約400円ですが、1ユーロ=100円の価値観で考えても1リッターで200円を超える感じですので、長距離ドライバーには非常に痛い出費となります。

 帰りにドイツ国内のガソリンスタンドで給油した際に、給油塔に1リッターにつき約94セントが税金ですと記載されていました。一体、いつまで原油価格の高騰が続くのか、先行きが見えないのが厳しい日々です。

 2026年のル・マンへの珍道中も終わりましたが、ヨーロッパへの取材ドライブはこれからもまだまだ続きますので、もう少しおつきあいください。


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