真夏なのにスタッドレスで7時間レース!? BBQしながら走る謎の軽耐久に異音まみれのボロアルトで参戦してみた (2/3ページ)

ついにスタート! しかしマシンは走る前から満身創痍!?

 で、気になるチーム名なのだがこれもまた酷い。いつの間にかこうなっていたそうだが、その名も「劇場版名探偵コ○ン 卓上の大蒜(ガーリック)※こちらも著作権の都合から一部伏字」、通称「卓上の大蒜(ガーリック)」である。まったくもって意味不明で、さすがにこれをパドックで連呼されるのは恥ずかしい。「卓上の大蒜(ガーリック)」とは、ラーメン屋の机によくある赤い蓋のあれだ。このチームのメンバーはみんなラーメン好きではあるが、クルマとなんの関係だあるのか。ちゃんとストーリーまで作ったというが、やかましい。さらに「ニンニク入れましょう!」とハチマキまで自作してきている。ちなみにこれは埼玉県発の二郎系ラーメン(まぜそば)チェーン、ジャンクカレッジのキャッチコピーだ。なんなんだこのチームは。

 さらに運営には事前に、「ちゃんと呼ぶときはニンニクではなく”大蒜(ガーリック)”と読んでください!」と意味不明な注文までつける始末。この歳になってこんな恥ずかしい思いをするとは思わなかった。が、それも実力でだまらせれば格好いいというもの。

 というのも我々、「卓上の大蒜(ガーリック)」のメンバーの多くは自動車関係の仕事をしているメンバーで、その多くはメーカー所属のエンジニアたち。また、大手自動車系パーツサプライヤーの社員もいるし、タイヤ一筋10年以上のタイヤ屋や整備士免許をもった人までいる。なんならこの日は不在だったが、このチームはなんとSUPER GTの某ワークスチームに所属する現役エンジニアまで関わっているという、ふざけた名前のわりには豪華オールスターチーム。こう見ると筆者だけはクルマ好きのボンクラ(一応国内Aライセンスはもっているが)なのだが、これだけクルマに強い人が集まってれば勝てるかもしれない!?

 と、いざレースがスタートするが、周囲のクルマは「本当にNAか!?」と思うくらいバシバシ我々、「卓上の大蒜(ガーリック)」のアルトをパス。スタートドライバーも走行会などで走りまわっている腕利き……というかほぼ全員そっちの類の人間たちで、あるアーティストのPVでドリフトの演出をするような腕をもってる人までいる。それでも「なにが起こっているんだ!?」と叫ばずにはいられないほど抜かれまくる。

 じつはこれには理由がある。というのもこの前日、練習走行があったのだが、この日に各メンバーでリンクサーキットを走っていたら、この「ドラ○もん」こと我々のアルトは、周を重ねるごとにエンジンから異音が酷くなり、オイルも喰い始めていた。なんとか練習は終えたのだが、前夜の作戦会議で、「走るかリタイヤするか」の瀬戸際まで追い込まれていた。

 しかし、「せっかくここまで来たなら、できる限り走ろう」という意見でまとまった経緯がある。耐久レースは、順位はもちろんだが完走することも重要で、スーパー耐久であっても、不調なマシンは一旦ガレージに格納して、最後の10分だけ走ってチェッカーを受けるなんて作戦をとるチームがあるほど。勝ちより完走を選んでいた。

 なので我々のマシンは5000〜6000回転シフト程度で回転を抑え、走り切る作戦でスタートしたというのがことの経緯。なので遅くて当たり前なのだ。54馬力を6500回転で発生させるK6A、しかも何万キロ走ったかもわからないお疲れのエンジンでどこまで戦い抜けるか、これは「ドラ○もん」号にとっての試練でもある。

 といいながらも、我々は30〜40分くらいの間隔でドライバーを代えていくが、ペースは遅いものの、意外にも走れている。この日の天気は雨ときどき曇りといった感じで外気温も低く、路面温度も低い。クルマにも優しいだけでなく、タイヤにも優しいのが、我々の味方をした。

 一方ピットでは、「肉焼きます!」と出走を拒否したメンバーたちが宴を開いているではないか。コンクリートウォールの向こう側ではバチバチに争っているクルマがいたりするなかで能天気なものだ。しかし、支配人が「まあBBQがメインだと思って……」といっていたように、我々「卓上の大蒜(ガーリック)」はそれを見越して大量の食材をもち込んだ。もちろん「大蒜(ガーリック)」も。

 なので作る料理はどれもパンチが利いており、とてもサーキットで喰らうような食事ではない。さすがに火は起こさなかったが、巨大なポータブルバッテリーをもち込んだので、冷蔵庫もあればホットプレートやIHコンロもあるわで調理の幅も無限大。パドックで食べるようなレベルでない飯が次から次へと出てきており、出走拒否勢はもはや料理に夢中。こっちもこっちで食材とのバトルが始まっていた。

 と、ここで「卓上の大蒜(ガーリック)」になんとペナルティが発覚する。NK7のルールでは、ドライバーチェンジ後、手押しでマシンを所定の場所まで移動させて再スタートしなければいけないので、Rギヤの使用は禁止なのだが、ついクセでRギヤに入れてしまったようだ。普通のレースならペナルティが確定すると監督がピットビルに呼び出しをくらって、クルマはピットスルーペナルティや1分間の停止義務などを消化する。しかしこのNK7、こんなバカ真面目なルールで終わるわけがない。

 NK7では違反をしたら、その号車チーム関係者がなんと「うまい棒」を3本食い尽くすまでリスタートできないという、地味だがキツい罰ゲームのようなものが用意されていた。ピットにたまたまいたメンバーは、「俺のミスじゃないのに!」と理不尽に食わされていたのが感動ポイントだ。ちなみにこの日はペナルティ祭となっており、終盤はうまい棒の在庫が消えるという珍事も発生。もし筆者が出ているようなロードスター耐久レースなどでこんなペナルティ祭になったら大事件だ。


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WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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