GRヤリス Mコンセプトとの関係に注目
意見がわかれるのがエンジンの搭載位置だ。有力なのはミッドシップ4WDというレイアウトだろう。その説の最大の根拠になるのが、トヨタが2025年1月の東京オートサロンで公開した実験車両「GRヤリス Mコンセプト」だ。GRヤリスをベースとし、ドライバーの後方にG20Eエンジンを横置きしたミッドシップ4WDのレーシングカーである。
GRヤリス Mコンセプトは、2025年10月にはスーパー耐久の岡山大会で実戦デビューし、過酷な富士24時間レースも含めて継続的に参戦。2026年10月には、3ドアハッチバックだったボディ形状を2ドアクーペに変更された車両が出走したばかりだ。
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すでに実戦状態であり、少しずつブラッシュアップが図られているのも明らかであることから、GRセリカのベースとして期待が高まるのもやむなしだろう。一方で冷却性能や整備性、車体構造など、ミッドシップ特有の課題に直面したこともトヨタ自身が明らかにしており、そうした課題の克服はロードカーとして市販化の折にはさらに困難なものとなるだろう。
GRヤリス Mコンセプトの存在をひとたび忘れてしまえば、フロントエンジンの4WDという可能性も残っている。歴代セリカはフロントエンジンで、ターボと4WDを組み合わせた高性能モデル「GT-FOUR」がWRCで活躍したことは周知の事実。そのコンテクストから考えれば、新型で「GT-FOURの現代版」となるフロントエンジン4WDの採用も考えられる。
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フロントに搭載されるとして、縦置きか、あるいは横置きかという謎も残る。既存のコンポーネントから順当に考えれば横置き搭載となるだろうが、トヨタは2025年4月に、レクサスRCをベースとしたG20Eエンジンと6速MTをフロントミッドシップに縦置き搭載した評価車両を公開していることから、縦置きの可能性も捨てきれない。
また、フロントエンジンの可能性を予想させる要因として、前述のポルトガルにてテストされていた新型ラリープロトタイプも挙げておきたい。WRC2027の規定にてRally1車両はフロントエンジンが原則となっているし、2ドアクーペのシルエットを採ったそのクルマのディテールに注目しても、ボディサイドリヤ側にダクトらしきものがほとんど確認できないことから、この車両がミッドシップレイアウトを採っているとは考えづらいのだ。のちに目撃されたテストカーでもその点は変わっておらず、仮にこの車両がGRセリカの雛形だとすれば、GRセリカ Rally1がフロントエンジンで登場する確率は高いだろう。
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比較的幅広いユーザーに向けたスポーツクーペとして復活させるなら、横置きフロントエンジン方式に合理性がある。一方、GRブランドの象徴となる高性能モデルを目指すならミッドシップも魅力的だ。可能性としてはどちらも否定しきれないところだが、ここで思い出したいのが、こちらも市販化がまことしやかに囁かれる「GR MR2」の存在である。特許庁が2025年12月に発行した公開公報において、トヨタが「GR MR2」の商標を登録したことが確認されており、そこから復活を予想する声が上がっている。
とはいえ、トヨタが公式にMR2の復活を宣言、あるいは予告したことは一度もなく、仮にGRセリカがミッドシップレイアウトで登場するとしたら、GR MR2とキャラクターがバッティングすることは避けられない。その点も鑑みた上で、GR MR2の登場に期待する意味でも、GRセリカはフロントエンジンレイアウトで、GRヤリスの上位モデルとして登場するという予想で、本稿の筆を置きたいと思う。
2006年に生産を終えてからおよそ20年。セリカ復活への期待はWRCマシンの発表で一気に高まった。年明けの東京オートサロン2027で、GRセリカ Rally1がどんな姿で現れるのか。ロードカーの構成、そもそもの存在の有無についても、まずはそれを待つほかないだろう。