この記事をまとめると
■トヨタが2027年のWRCにGRセリカ Rally1を投入することを発表
■市販版は未発表ながらG20Eエンジンやミッドシップ4WD採用の可能性が浮上
■市販化の行方は東京オートサロンでの発表に注目だ
GRセリカはロードバージョンの夢を見るか
トヨタは11月3日、フィンランド・ユヴァスキュラで2027年のWRC参戦体制を発表した。2026年に史上最多タイとなる6年連続のマニュファクチャラーズタイトルを獲得したTGR-WRTは、2027年から2チーム・2車種体制に移る。そのうちの1チーム「TOYOTA RACING」に与えられるのが、新型の「GRセリカ Rally1」だ。トヨタ自身が「ラリー史においてもっとも象徴的な車名のひとつ」と表現するセリカの名前が、WRCに復活する。
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マシンは東京オートサロン2027(2027年1月)で公開される予定で、ホモロゲーションの手続きは12月末までに完了する見込みとなっている。また、詳細やカラーリングは、シーズン開幕前に改めて発表される。公式に確認できる事実はここまでだ。
では、この「GRセリカ Rally1」の先に、市販のセリカは見えてくるのか。入手できる情報から、あくまで予想として考えてみたい。
前提として押さえておきたいのが、WRCの2027年新規定のもとでは市販車を直接のベースとしない車体構造が認められるという点だ。
そのホモロゲーション条件は、承認から24カ月以内に最低10台の生産義務と、さらに年間で10台の競技仕様車を顧客に供給できる体制を整えるというものだが、この生産・供給に関する条件はあくまで競技車両についてのもので、ロードカーの製造・販売についての条件はない。また、対応する市販車が存在しないラリー専用のボディを採用することも自由だ。
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いい換えれば、「認証のために公道用の同型車を販売する」のではなく、「競技車を認証し、顧客にも供給する」という仕組みとなっている。
つまり、GRセリカ Rally1の外観がそのまま将来の市販モデルのデザインになるとは限らず、そもそもGRセリカの市販版が登場することが確定したわけでもないことを、まず念頭に置いておきたい。
とはいえ、トヨタがラリーカーに2ドアクーペ風のボディと「セリカ」の名前を与えたことが無視できない事実であることに変わりはない。ポルトガルで目撃されたプロトタイプは、現行のGRヤリスとは異なる2ドアクーペ風で、新型セリカとの関連が取り沙汰されていた。トヨタは、GRセリカ ラリー1とGRヤリス ラリー1を並行して開発し、両者は同じ出力と性能をもつとしている。ここでは、ライバルチーム同士を競わせる狙いがあるようだ。
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市販車の動力として有力視されているのが、トヨタが次世代スポーツカー向けに開発を進める新型エンジンG20E型だ。その名称からもある程度フォーマットを察することができるが、このエンジンはGRヤリスに搭載されるG16E型の発展系となる2リッターの直列4気筒ターボだ。小型・軽量化と高出力化の両立を目指し、将来の電動化や、縦置き・横置きを問わず柔軟に対応できる設計とされる。実際の市販仕様ではエミッションや燃費、耐久性とのバランスが影響するが、最高出力は400馬力級を超えるポテンシャルがあるとトヨタは明言している。
トランスミッションは6速MTに加えて、GRヤリスにも採用されている8速AT「GR-DAT」が用いられるはずだ。東京オートサロン2025で公開されたG20Eエンジンの実機を観察しても、トランスミッションのベルハウジングとの結合部の形状は、G16Eのそれとかなり近しく見える。