やればできるけどやらないでいられる心地よさ
インテリアはどうかといえば、綺麗さっぱり共通。どちらも”ウルトラ”という上級グレードで充実した装備類は一緒だし、慣れてしまえばどうってことない細かなところのクセ強インターフェイスも同じ。ただ、モニターパネルのなかのインフォテインメントシステムのレイアウトがわずかに変更されてたり、内蔵されてるGoogleの反応含め少し使いやすくなってたりと、進化はしている。それにRWDモデルはAWDモデルより50万円安いのだけど、安全装備に関しては何ひとつ割愛されてはいないあたり、とてもボルボらしい。
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走り出す前の気分を正直に告白すると、きっとよくできてるんだろうなとは思ってたものの、じつはそれほど期待してはいなかった。何せEX30クロスカントリーRWDのモーターは、AWDモデルのリヤと共通の272馬力と343Nm。フロントにモーターを持たない分90kgほど軽くなってるとはいえ、AWDモデルと較べてしまうと物足りなさを感じるに違いない。
そんな感覚がどこかにあったからだ。が、とんでもない話だった。物足りないどころか、こっちのほうがいいかも、とすら感じちゃったのだ。
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いや、確かに加速に関しては、343Nmのトルクが効いてバッテリーEVらしい瞬発力を見せるし十分に速いといえる範疇にあるのだが、でもP8 AWDのパフォーマンスにはまったく及ばない。なのに、それが少しも不満じゃない。なぜならボルボは、EX30クロスカントリーでありながら、RWDモデルに別のキャラクターを与えていたのだ。
乗り心地が、はっきりとよくなっている。とても快適だ。シートの出来栄えがいいこともあるにはあるのだけど、発表値のWLTCモード530kmという距離をいまから走り切って電欠させてみろと命ぜられてもニコニコしながらスタートできそうなぐらいに快適なのだ。それもそのはず。フロントのモーターを取っ払うにあたって、ボルボはバネのレートを柔らかめに振ってダンパーの減衰も下げるなどの調整を、じつに念入りに行ったのだという。
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路面の小さな凹凸、段差、うねりなどが生む揺れや振動などを巧みに吸収し、それらをイヤなカタチで伝えてきたりすることがない。まろやかにして穏やかなライドフィール。それはまるでかつての名車、240シリーズなどが伝えてきた乗り味に、とてもよく似てる。後輪駆動らしい素直なステアリングフィールも、過敏さはないけど遅いわけでもない反応も、懐かしいぐらいに同じベクトルだ。
だから、じつはコーナーをバランスよく綺麗にトレースしていくハンドリングのよさがあって、ドライバーの気もちに応じてくれる度量の深さももってるのに、攻め立てたような走りをする気もちになることもなく、気もちよくゆったりとした走りを楽しんでしまった。そのまったりした感じが、こっちのほうがいいかも、と思わせてくれたのだろう。
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精悍な雰囲気を漂わせるルックスと、やればできるけどやらないでいられる心地よさ。”クロスカントリー”という言葉のなかには、自然のなかを往くときに僕たちが感じる気もちよさ、つまり”癒し”も含まれてるように僕は思ってるのだけど、そういう意味ではこのRWDモデルも立派なクロスカントリー。好きだなぁ、このクルマ……。
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