雪解けしたらアスファルトがボコボコじゃん! なぜ雪国の道路は春に傷んでいるのか?

この記事をまとめると

■雪国はアスファルトが傷みやすいといわれている

■雪の水分が路面に染み込み凍結と融解を繰り返し内部を傷めている

■クルマの重みにより劣化が進みやすいことも傷む原因のひとつだ

雪国の路面が悪いワケ

 降雪地域では、春の訪れによって積雪がなくなったあと、舗装路に穴が開いていたり、舗装が割れていたりすることがある。その原因は、雪にあるという。

 まさか、雪がアスファルトを融かすわけではない。だが、気温が上がって雪解けがはじまり、雪と水の混ざったシャーベット路面が現れると、その水分がアスファルト舗装のひび割れなどにしみ込みやすくなる。

 しかし、まだ春先は、夜間や早朝に零下に気温が下がる場合があり、舗装の隙間にしみ込んだ水は容易に凍る。水は凍ると体積が膨張する。このため、氷がアスファルトやその下の土砂を押し広げようとする。そして日中になれば、氷は融けだし、水になってまたしみ込んでいく。

 液体である水と固体となる氷の体積の大小によって舗装路が痛められ、結果としてひび割れが広がったり、そのひび割れをきっかけにアスファルト舗装がもろくなったりして、穴をあけたりさらには舗装の下の土砂を緩めて穴を広げるなど、アスファルト舗装の破損が起こる。

 アスファルト舗装の損傷をさらに拡大する要因のひとつが、クルマの通行だ。

 乗用車でも1トン以上あるクルマが、ひび割れや小さな穴の開いた舗装路を走ることで荷重がかかり、なおかつ穴が開きはじめた箇所では段差によってタイヤの衝撃が加わり、アスファルトを脆くしたり、アスファルト舗装の下の土砂を緩めたり崩したりする力が加わる。こうして、降雪地域の舗装路は春を迎えて路面が損傷していくのだ。

 雪解け直後の降雪地域の舗装路は、でこぼことした状態となりやすく、そこを走ればクルマが振動して乗り心地が悪くなるのはもちろん、ハンドルを取られる懸念もある。クルマの通行がより破損を悪化させるのだから、タイヤが通る轍が深くなる可能性もある。

 降雪地域では、春の恒例として雪解けが済むとアスファルト舗装の補修が急いで行われることになる。だが、一朝一夕にいかないのはいうまでもない。

 舗装路面の荒れた道路を運転する際は、ハンドルをしっかり握り、ふいにハンドルを取られることのないよう気を付けなければならない。


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御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

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