大型連休は高速道路の休日割引ナシ……って儲け主義? せっかくの休みに出かけにくくする制度を採用する理由とは

この記事をまとめると

■2014年度から深夜割引と休日割引の2本立てで高速道路料金は割引になっていた

■土曜日を含めた3連休や飛石連休も含めて割引制度が令和7年より中止となった

■割引がないことを逆手にとって効率のいい移動を考えるのも策だ

高速道路料金から休日割引が消えた!?

 4月末から5月初旬にかけての大型連休中、高速道路などで実施されている休日割引が適用外となった。

 ETC装着の普及を目指し、時に応じた経済効果なども含め、高速道路を利用するクルマに対する割引制度は、2004年度から実施されてきた。そして、2014年度から、現行の深夜割引と休日割引の2本立てで実施されている。

 一方、割引料金を有効活用しようとクルマが集中し、渋滞が常態化する課題が浮き上がってきた。ことに近年は、インバウンドによる海外からの旅行者の増大もあり、過剰な旅客(オーバーツーリズム=観光公害)の懸念も生じ、対策が求められている。

 そこで今年度から実施されるのが、連休における休日割引適用外の措置だ。その第1弾が、先の大型連休中となった。

 それに止まらず、来年の3月まで、土曜日を含め3連休になるカレンダーを中心に、飛石連休も含め、割引制度が適用外にされる予定だ。

 この措置に踏み切った背景には、すでに3年前から渋滞が予想される大型連休やお盆、また年末年始に割引制度の除外が実施されており、その結果、渋滞が緩和された実績が出たためであるという。つまり、今年になって急に実施されたわけではない。

 とはいえ、連休は多くの人が休暇を取ろうとするわけで、割引が除外されても、家族や仲間と遠出したいという思いが変わるわけではないだろう。公共交通機関もそうした期間は混雑し、指定席を取れないことも考えられ、クルマで移動するほかないということにもなる。

 逆に考えれば、どのみち割引が適用されないのであれば、移動時間を調整し、渋滞をできるだけ避けながら移動し、大渋滞にはまるという無駄な時間を省く発想が生まれるかもしれない。

 近年は、車中泊のようにクルマのなかで過ごすことが広がりはじめている。そのための用品も充実しているのではないだろうか。そこで、早めに出発し、目的地で休憩しながら時間調整するようにすれば、渋滞で失う時間を減らすことになるだろう。

 もちろん、早朝や深夜の移動は、普段はやりつけないことなので、運転に注意する必要がある。長距離移動の大型トラックやトレーラーなどが数多く走行している可能性もあり、走り方に配慮が必要になるかもしれない。

 それでも、先を急がず、走行車線を淡々と移動することを試してみると、案外、快適に走れたという体験ができるかもしれない。

 割引の道路料金という経済的な利点がなくなるのであれば、移動の仕方を工夫してみるのも、ひとつ新たな発見につながるのではないか。


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御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

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