この記事をまとめると
■日産が追浜工場の閉鎖を決定
■追浜で作られるクルマは九州工場へ移管して製造する予定だ
■2027年末を目処に生産を終了するとしている
2027年末で主力工場の稼働を終える
経営難に陥ってると日産は、ここ1年でさまざまな話題が連日報道されている。最近では、あくまで噂ではあるが、「ホンハイとの経営統合をするのではないか?」という話も飛び交った。
そんな日産においてもうひとつ話題になっている話がある。それが、日産の顔とも言える主力工場のひとつ、追浜工場閉鎖の件だ。
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追浜工場は、1961年の操業以来、じつに60年以上にわたって名車を作り続けてきた。いままでに生産されてきたクルマは、じつに1780万台以上に及ぶ。その追浜では現在、ノート、ノートオーラ、そしてキックスを主に生産している。モータースポーツファンたちの間でも、追浜ワークスなんて呼ばれた、日産のワークスチームの開発拠点などもあった場所として知られている。
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その追浜工場の行方について、社長を務めるイヴァン・エスピノーサ氏がついに口を開いた。
答えは、「追浜工場は2027年末をもってクルマの生産をやめる」という判断。この瞬間、噂が事実に変わった。会見でエスピノーサ氏は、「現在追浜で生産している車種については、順次九州工場に移管していく。この判断は私が現在の役職についてもっとも重く、悲しい判断だった」と語る。
ではなぜ、主力工場である追浜での生産を終えるのか。
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エスピノーサ氏は、「日産は世界規模で見て生産キャパシティの70%しか使えていない現状がある。日本においては60%程度だ。今後我々は、より成長し、会社を安定させるために競争力を強化していかなければいけない。さらに、関税に関する問題も無視できない領域に入ってきており、さまざまなケースに対応できる準備も必要だ。現在世界に17拠点ある工場を10拠点まで減らし、コストの調整も考えていかなければならない。今回の判断はそのうちのひとつだ」
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なお、ここで明らかにされたのは、湘南工場における車両の生産を終えるというニュース。ここでは日産車体がNV200を製造しているが、2026年末で生産を終える予定だ。しかし、すでに後継車種の開発を進めており、準備が整い次第こちらも九州工場で生産する予定だ。
この移管により、国内のコストに関しては15%改善でき、九州工場の現在80%強という稼働率も100%にまで引き上げらるとしている。この判断は、中長期に考えたらいまの日産にとって最善とのこと。
また、エスピノーサ氏は、「新型キックスも日本国内に投入する。追浜で生産をスタートしつつ、それも順次九州で作る予定だ」と語ったので、日本での新型キックスの登場は2025年末〜2026年中か。
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※画像は北米モデル