この記事をまとめると
■新型ホンダ・プレリュードの正式発表が迫っている
■LPL(開発責任者)である山上智行氏にインタビューする機会を得た
■新型プレリュードの誕生の経緯から走りまでを語ってもらった
開発責任者が語る新型プレリュードのすべて
日本での正式発表・発売がいよいよ2025年9月に迫った、新型ホンダ・プレリュード。
その開発を指揮した本田技研工業の山上智行LPL(開発責任者)に、この新たなハイブリッド・スペシャリティカーが6代目プレリュードとして生を受けるに至った経緯などを聞いた。
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──5代目プレリュードが2001年に販売を終了してからおよそ四半世紀が経ちますが、そのプレリュードをあえていまよみがえらそうということになったのは、ホンダさんのなかでどういう経緯があったのでしょうか?
山上さん:元々は「プレリュード復活」がテーマではありませんでした。おっしゃるとおり、四半世紀を経たいま、ホンダの強みであるハイブリッドを活かしたスポーツカーを作ろうというテーマがまず最初にあり、その時にはまだ「プレリュード」という名前すらありませんでした。
これから世のなかが電動化に向かっていくなかで、ホンダのDNAは「操る喜び」にありますので、デザインとダイナミクスを組み合わせたものを作ろう、ということで開発がスタートしています。
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そうして開発チームができあがり、デザインも作られていくと、どんなお客様にどんな価値を提供するのかという議論が始まりました。そのなかで、目を三角にしてサーキットを走るスポーツカーではなく、数値にとらわれないスポーツ、それはひとりだけではなく、横に乗っていただく人にも楽しんでもらえるように、という価値観を大事にしました。
それが、昔のプレリュードが大事にしてきた価値観とある程度合致し、それが「何代目襲名」という古来の日本の文化に近いものがあったので、「プレリュード」という車名になったのです。
──まずコンセプトありきで、それがたまたまプレリュードだったということですね。
山上さん:そうですね。ですがヘリテージは、それにとらわれすぎると新しいことへのチャレンジが難しくなります。デザイナーもそういう制約が最初はなかったので、ノッチバッククーペでなければならないという、そういう議論もありませんでした。歴代プレリュードにあったものを必ず入れようという制約もなかったので、かえってよかったですね。
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