この記事をまとめると
■新型ホンダ・プレリュードのエクステリアデザイン担当者にインタビュー
■「グライダー」から着想を得たシンプルながら緻密な面構成デザインが特徴
■視界や使い勝手にも配慮した新時代のスペシャルティカーを目指した
王道のクーペスタイルを実現した新型プレリュード
2025年9月の国内正式発表・発売に向け、開発コンセプトや内外装デザインの詳細が公開された新型6代目ホンダ・プレリュード。
そのエクステリアデザインを担当した本田技術研究所の大沼紀人さんに、この新たなハイブリッド・スペシャルティカーを形作るうえでのポイントなどを聞いた。
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──新型プレリュードは最初からプレリュードとして考えられていたわけではなく、新しいハイブリッドのスポーツカーを作ろうということで開発がスタートしたとうかがっています。そのなかでエクステリアデザインは、どのような案や紆余曲折を経て決まっていったのでしょうか?
大沼さん:ICE(内燃機関)車とは異なるハイブリッドのスポーツカーのイメージが当初なかなか掴めず、かなり悩んだ時期がありました。そのなかでシビックのハイブリッドに乗ってみたりして、ハイブリッドならではのスポーティな走りを感じながら、どう表現しようか悩んでいたところ、「グライダー」というキーワードが出てきました。それがハイブリッドカーの走りを表現していると感じられたので、そこから一気にデザインが進みましたね。
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──デザインコンペティションの過程では、ほかにはどのようなアイディアがありましたか?
大沼さん:初期の悩んでいたころには、スポーツカーらしい性能を表現したものが多かったですね。ですが、それらはしっくり来ないということで、案を徐々に絞っていきながら、人数も絞ったコンパクトな体制でエクステリアを考えるようになりました。
──その結果として、新型プレリュードはシンプルかつ王道のクーペスタイルになったと思いますが、グライダーをモチーフにしたハイブリッドスポーツとして、要素を削ぎ落としたいという考えだったのでしょうか?
大沼さん:削ぎ落としつつ際立たせるイメージですね。もともともっているポテンシャルを、要素を付け足して表現するのではなく排除していくことで際立たせています。シビックタイプRのようにパフォーマンスを主張するようなものではないですね。
新型プレリュードは、走りの気もちよさや同乗者への思いやり、日常の使い勝手を含めた、スポーツカーというよりもスペシャルティカーであることを表現したデザインになっています。
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──これまでのプレリュードがすべてノッチバックスタイルなのに対し、新型はハッチバックですが、デザイン側でもこの決定プロセスに関与しているのでしょうか?
大沼さん:はい。プロポーションをシンプルにしたかったということと、使い勝手をよくして幅広い人に幅広い場面で使ってもらいたいという想いから、総合的に判断してチームとして決断しました。
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